今年もやっぱり不漁!?いかなご漁の解禁日と値段の推移

今年もやっぱり不漁!?いかなご漁の解禁日と値段の推移

春告魚(はるつげうお)って聞いたことありますか?

読んで字のごとく、「春を告げる魚」。
春に活きのいいこの魚が出回ってきたら、もう春なんだなと感じることのできる魚ですね。
私の住んでいる兵庫県の瀬戸内側では、

“いかなご”がこの春告魚に当たります。

しかし、ここ数年いかなごの漁獲量が激減しています。
昨年(2020年)も、近所の魚屋さんにはいかなごの解禁日と販売の日時が告知されており、楽しみにその日時に足を運んだのですが、急遽「不漁により入荷出来ませんでした」と張り紙がされており残念な思いをしました。
さらにその日のニュースで衝撃だったのが、

その日まさかの漁獲量ゼロという状況。

いったい何故このような状況になったのでしょうか?
また、気になる今年(2021年)のいかなご漁の解禁日と漁獲量予測と漁獲量が減少していることで高騰しているいかなごの値段の推移を見ていきましょう!

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いかなご漁の解禁日と漁獲量の予測

いかなご漁の解禁日を決める為、先月24日に播磨灘と大阪湾の各地で稚魚の生育状況を確かめる試験操業が行われました。
毎年この試験操業による調査結果からいかなご漁の解禁日を決定しており、その結果、

今年のいかなご漁の解禁日は3月6日と決定されました。

兵庫県による報告では、いかなごの県内の漁獲量は20年前までは最大で3万トンありましたが、4年前から深刻な不漁が続き、

昨年は“147トン”にとどまってしまいました。

気になる今年の漁獲量の予測も、産卵量自体は去年より多いものの、平年の6.4パーセント程度なので、今年も不漁が見込まれるという試算が県の水産技術センターより発表されました。
6日という解禁日は昨年に比べ約1週間ほど遅くなっており、少しでも翌年に資源を残そうという考えからです。
しかし、今年の漁獲量の予測は低い見込みですので、漁の期間は昨年同様短くなるでしょう。
いかなごのくぎ煮という瀬戸内の春の味覚がいずれなくなってしまうのかと心配になってしまいますね。

いかなごの値段の推移

深刻な不漁が続くいかなご。
獲れる量が激減すると価格は高騰してしまいます。
私の妻は播磨地域出身で、昔はよく祖母がくぎ煮を作ってくれたと言っていました。
妻本人も結婚したら自分もくぎ煮とか作るようになるのかなと漠然と思っていたようで、一度作ってみようと試みているようですが、どこにも売っていなくて買えない状況です。
もし仮に運よく売っていたとしても、価格を見ると購入に二の足を踏んでしまうかもしれませんね。
昨年2020年の販売価格は1キロ4,000円前後だったようなので、試しに挑戦してみようと一度も作ったことのない人には少々敷居が高い。

ちなみに今年2021年の販売価格も同じくらいの価格が予想されています。

この価格、過去からどれぐらいの推移が見られるのか、兵庫県の漁獲量と大まかな価格を調べてみました。

価格(1kg当たり)
漁獲量(t)
2014年
1,000円前後
12,372
2015年
1,800円前後
10,792
2016年
2,500円前後
11,082
2017年
3,400円前後
1,001
2018年
1,900円前後
1,715
2019年
4,000円前後
899
2020年
4,000円前後
147

以前は不漁の時でも1,000円前後という時代もあったことから、いかなごが庶民の味ではなくなってきているという印象が強いですね。

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いかなご漁不漁の原因

いかなごの漁獲量が激減しています。
昨年の兵庫県におけるいかなごの漁獲量147トンという数字は、早急な対策が必要になる数字だと思いますが、

いかなごの不漁の原因って一体なんでしょうか?

実はこの原因にも深刻な問題があります。
瀬戸内は閉鎖的な海なので、河川の水質の影響が受けやすく、高度経済成長期には生活排水や工場排水により水質の悪化が問題となりました。
そこで水質の向上を目的に下水処理水の排水に赤潮の発生の原因となる窒素やリン等の栄養塩の残存量に規制をかけました。
その結果、海がきれいになりましたが、

その“海がきれいになった”ということがいかなご不漁の原因ではないかと言われております。

これだけではなく、海水温の上昇等複合的な問題が考えられてはいますが、海の水がきれいになることで栄養塩不足を起こし、その結果水産資源の減少や品質の低下につながるという予想外の問題に発展してしまいました。
いかなごのように食物連鎖の土台を担っている生物が減少するということは、より大型の生物への影響にもつながりますので、より深く検証が必要になってくるでしょう。

まとめ

いかなご漁の解禁日と近年の漁獲量と販売価格の推移に関してお伝えしました。
解禁日は3月6日。
今年の漁獲量はどれぐらいになるのでしょうか。
個体数が以前の推移にまで回復するまで長くかかるかもしれません。
もしかすると、

このまま瀬戸内からいかなごがいなくなる可能性もあります。

いつかまた庶民の味が復活し、妻にいかなごのくぎ煮を作ってもらいたいです。
また、当ブログでは“いかなご”を生き物としても紹介しております。
興味を持っていただけましたら、是非そちらもご覧ください!

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