黄砂が連日観測されているので注意してください!
中国から飛んでくるから中国が悪いと思ってしまっている方も多いはず。
PM2.5とセットで飛んでくることが話題になって以来、黄砂そのものが中国のせいにされがちですが、黄砂はただの自然現象なんですよね。
今回は、黄砂って何だろうというところから、黄砂が発生する時期、どんな被害があるのか、実は重要な役割も担っているというお話をさせていただきます。
黄砂の飛来
ニュースでも連日報道された黄砂の飛来。
西日本から北日本までと広い範囲で観測された黄砂ですが、単純に考えると、
しかし、ニュースでこれだけ取り上げられるには理由があり、まず注意しないといけないところで、視界不良になるということ。
観測時、東京や大阪は視程(水平方向で見通しの効く距離)が10キロメートル以上ありましたが、鹿児島や新潟では8キロメートルしかありませんでした。
視程が5キロメートル未満となった場合、交通に影響が出るおそれがあり、注意が必要になりますので、連日ニュースで取り上げています。
また、晴れて洗濯物を外干ししたいところですが、黄砂が飛来すると洗濯物に付着し汚れてしまいますので、洗濯物は室内に干すのが良いですね。
コロナ対策でほとんどの方がマスクをしていますが、メガネを着用するとなお良いでしょう!
黄砂は自然現象ですので、収まったと思いきや、また猛威を振るってきますので、
黄砂とは?
そんな黄砂、砂だということは分かっていますが、
黄砂とは、主に中国の黄土砂漠、ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠などに広がる黄土地帯の細かな砂が、風によって空高く巻き上げられ、大気中に広がり、空一面を覆ってしまう現象です。
この現象は、各地の気象台で実施している地上気象観測で、大気じん象の一種として目視により観測し、記録されています。
黄砂現象の定義として日本では、「飛来してきた大陸性の土壌粒子が浮遊する現象」と定義されていますが、各国で定義は異なるようです。
黄砂は降水量と密接な関係があり、発生地で降水量が少ないと黄砂の発生が多い傾向になるのですが、これは降水量によって、土壌の乾燥状態や、積雪、植物の有無といった地表の状態が降水により変化するためだと考えられております。
近年では、
黄砂の発生する時期はいつ?
以下は、気象庁の黄砂観測日数表から黄砂観測のべ日数の平年値を出してみた表です。
1月
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2月
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3月
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4月
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5月
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6月
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0.15
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0.9
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4.2
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5.8
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2.95
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0.3
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7月
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8月
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9月
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10月
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11月
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12月
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0
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0
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0
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0.3
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0.6
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0.3
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※2001-2020年平均
こう見ると、1年を通して黄砂が飛来する時期にバラつきがあり、春に集中していることが分かりますね。
春は発生に関する条件が整いやすいことから頻繁に発生するという傾向にありますが、
ただ、7月~9月にかけては発生が極端に低くなっていますね。
また、年によってもバラつきがあり、この20年で1年間に最も多かったのは2001年の38日で、最も少なかったのは2017年の3日でした。
ちなみに、歳時記(四季の事物や年中行事などをまとめた書物)では「霾(つちふる)」といい、春の季語となっています。
メカニズムも解明されていないような古から黄砂は確認されており、春の風物詩だったんですね。
黄砂による被害と黄砂の重要な役割
黄砂は国境をまたぐ範囲で被害を発生させ、
田畑や人家を砂が覆い、視程や日照の悪化による交通障害、人間や家畜などが砂塵を吸い込んで健康へ悪影響を与えたりするなど、多数の被害が発生します。
私たちが住む日本でも、黄砂の季節になると洗濯物や車などが汚れるといった被害が報告されていますが、東アジア全体での経済的損失はとてつもなく、日本円に換算して毎年7,000億円を超えるとされています。
その一方で、黄砂が自然環境の中で重要な役割を果たしているという側面もあります。
飛来する黄砂は、河川の氾濫による堆積物や、火砕物と並ぶ堆積物の一種で、土地を肥やす効果があると言われています。
また、黄砂には生物の生育に必要なミネラル分も含まれており、陸域だけではなく海域でもプランクトンの生育などに関係しています。
被害を見て黄砂をブロックすると、以前当ブログでもお伝えさせていただきましたイカナゴが不漁という話題同様の事態が全国各地で起きる可能性も考えられますね。
まとめ
黄砂に関する情報をお伝えしました。
黄砂は、
春に多く、昔の人も春には空が霞むと感じていたことに衝撃を受けますね。
また、黄砂による被害が桁違いに大きい一方で、黄砂が担っている役割も見逃せません。
間違っても黄砂を防ぐなんていう馬鹿なことは絶対にしてはいけないのでしょうね。