以前に縁起物として扱われる生き物として、鶴の仲間から日本で馴染みの深いタンチョウを紹介しました。
鶴と双璧を成す形で縁起物として扱われる生き物に亀もありますよね。
今回は、亀は亀でも、日本でも馴染みの深い海亀、アカウミガメを紹介します。
アカウミガメの基本情報
大きさ:90cm前後・体重70〜180kg
寿命:野生で50年
生息地:極寒の海域の除く世界中の海洋
アカウミガメの生態・特徴
名前の通り全体的に赤みを帯びた色のウミガメで、英名の“loggerhead”に“馬鹿でかい頭”という意味があるだけに大きな頭を持っています。
もう少し特徴を見てみましょう。
何を食べているの?
アカウミガメは肉食傾向の強い雑食です。
基本的には他のウミガメとの競争を回避する為にこのような食性を取っているのですが、目の前を横切るクラゲ類や、海藻なんかも食べています。
甲羅の形
甲羅の形は上から見たらハート型をしており、陸上のカメの様に顔や手足を引っ込めることは出来ません。
アカウミガメは生息地により、体の大きさや、甲羅の形や色が異なってきますが、他のウミガメと比べると甲羅はゴツゴツしていて、周囲がギザギザしているのが特徴的です。
産卵から孵化
メスは成体になると、時には数千マイルも泳ぎ、自分が孵化した砂浜へ戻り産卵します。
深さ60cmぐらいの穴を掘り、そこに約100個程の卵を年に数回に分けて産みます。
約50〜80日で孵化し、その幼体は夜に地表に現れ海に入っていきます。
産卵の時に泣くって本当?
よく、ウミガメは産卵の時に泣く事で、その産卵の神秘性や健気な印象を持ちますが、実は泣いている訳ではありません。
これは海中でも行われているのですが、海中では見る事が出来ない為、陸上に上がる産卵時に泣いているように見えます。
体内から見つかる海洋のゴミ
ウミガメの体内を調べると、
クラゲと間違えて食べていると言われています。
いかにプラスチックゴミが生態系に悪影響かが分かりますよね。
プラスチックゴミ自体が直接ウミガメの命を奪う事には繋がらないという意見もありませが、そもそもそこに存在しない物質を摂取しないにこしたことはありません。
以前ストロー廃止に関する記事で海洋プラスチック問題も取り上げているので、参考にして下さい。
日本での産卵地
世界中にいるアカウミガメですが、北太平洋に生息する個体は主に日本沿岸で繁殖しています。
年に100回以上の産卵例がある産卵地として、
夜にウミガメの産卵を見に行くツアーもあるので、機会がありましたら行ってみてはいかがでしょうか?
また、護岸工事や観光地化による産卵地の砂浜が破壊される事で、アカウミガメの個体数が減少していると言われています。
上述しましたように、メスは自分が孵化した砂浜に戻る習性もあるので、産卵地を保護する事がいかに大事かが分かります。
浦島太郎のモデル?
砂浜でいじめられていた亀を助けて、竜宮城に連れて行ってもらうあの有名なお話です。
本当の出来事かどうかは別として、この亀ってどんな種類なんだろうという部分を考えると、このアカウミガメしかないのではないかなと思います。
浦島太郎の舞台は京都の丹後半島であるという説が有力です。
そこに存在し、さらに人が乗れる亀はまずアカウミガメしかいないでしょう。
さらに深く掘り下げると、ウミガメの多くのオスは、孵化して海に入っていくと、以降ほとんど陸に上がることがありません。
なので、
なぜ亀は縁起が良いの?
亀は鶴と同様に、よく縁起物としてデザインに使われますよね。
「亀は万年」という言葉があります。
流石に1万年生きる亀はいないと思いますが、中には100年を超えて生きる亀もいるので、やはり長寿をイメージする生き物と言えるでしょう。
また、
まとめ
アカウミガメを紹介しました。
ダイビングをやっている方は一緒に泳いだ事もあるのではないでしょうか?
前足をうまく扱い、優雅に泳ぐあの姿がなんとも可愛いですよね。
ただ、海に生きる肉食の生き物に比べると、遊泳能力はあまり高くありません。
そういった所もあってか、
浦島太郎のお話にも出てくるぐらい、人間と関わりの深い生き物です。
しかも、産卵の為に人間もいる砂浜にまで上がって来るわけですから、人間に出来る事はやってあげたいですよね。