なぜストローが廃止なのか?海洋プラスチック問題の不都合さを考える

なぜストローが廃止なのか?海洋プラスチック問題の不都合さを考える

ストロー廃止のイラスト
飲食店でお馴染みのプラスチック製のストローが海洋環境への配慮の観点で廃止の方向に進んでいます。
マクドナルドやスターバックス、日本の大手チェーンではすかいらーくグループも先日発表しましたね。

今スタバで休憩中にこの記事を読んでいる人もいるでしょうか?

あなたが使っているその素材のストロー、無くなりますよ!
無くても困らないと言えば困りませんが、あると便利と言えば便利ですよね。
それにしても何故今更なのでしょうか?
他にもいっぱいプラスチック製品があるけど、なんでストローが話題になっているのでしょうか?
少し掘り下げて見てみましょう。

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そもそもの発端は?

始まりは、今年2018年6月9日にカナダで開催された「G7シャルルボワ・サミット」にて、

海洋のプラスチック問題等にどう対応するか、世界各国で具体的な策を促すための案が採択されました。

さらには様々な国がこの海洋プラスチック問題に、「自国でプラスチックの規制強化します」という内容に署名しました。
日本とアメリカはこれに署名こそしませんでしたが、これは日本では「わざわざ“国が”規制強化に動きませんよ」という事で、関係の無い話ではありません。
各国の企業が参入し、日本の企業も海外展開している時代です。
これから、多くの日本企業も国からのお達しが無くても、プラスチック製品の廃止に向けて対応していくでしょう。

海洋プラスチック問題って?

では一体どう言った事でプラスチック製品が問題視されているのでしょうか?

問題の仕組みは簡単です。
プラスチック製品は元々石油を原材料としています。
強度にも優れ、腐敗にも強い。
優秀な素材として大量に生産されてきました。
しかし、優秀過ぎるのも困ったもので、一度ポイ捨てされたプラスチック製品は、分解されて無くなる事がなく、太陽光や風雨の影響でマイクロプラスチックと呼ばれる細かいサイズのプラスチックとなり、海の生物の体内に入ります。
大きい海洋生物は、原型をとどめたプラスチック製品を体内に入れてしまい死亡する事もあります。

プラスチックが生体の中で溶けて発生した有害物質や、海洋を漂い吸着した有害物質が、巡り巡って食卓に並ぶ事にもなるのです。

こういった事態を防ぐために、出来るだけプラスチック製品を代替のものにしていこうという考えになってきました。

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世界の動きは?

世界ではこの問題にどう動き出したのでしょうか?

発端のところでも少し書きましたが、日本とアメリカが署名しなかった「海洋プラスチック憲章」、具体的な内容を分かりやすく列記していきます。
署名したEU各国は2030年までに以下の内容に向けて、様々な法案が決議されようとしています。

  • リサイクル可能なプラにします。不可能なものは熱源利用します。
  • 使い捨てプラスチックを無くします。
  • プラ製品の再生素材品の市場を活性化します。
  • 再生可能な製品の利用率を50%以上にします。
  • プラ容器のリサイクル率55%以上、2040年には100%にします。
  • プラ製品削減の為に複数の企業間でアプローチします。
  • 海洋プラを綺麗にする技術開発をします。
  • 漁業用品の回収作業に投資します。

日本が国としてどう対応していくのか見ものですね。

他のプラスチック製品はいいの?

プラスチック製のストローがニュースでも取り上げられていますが、他のプラスチック製品も上述しました通り海洋の問題から言えばダメです。
そもそもストローなんて全プラスチックゴミからしてみれば、微々たるものです。
では、

なぜ“ストロー”でなければならなかったのか?

それは、全プラスチック製品に関わる企業の数より、ストローに関わる企業の数の方が少ないからです。
「ストローやめろ!」と一番大きな声を出しているのは、誰でしょうか?
海沿いに住んでいて海が汚れるの事を懸念している方達でしょうか?
いいえ、機関投資家です。
機関投資家が企業に対して策を講じるように圧力をかけているのです。
機関投資家は個人投資家からお金を集めて運用していますよね?
漠然と「プラスチック廃止」を企業に掲げさせると、プラスチックを扱っている企業全ての“株”を選別しないといけません。

「ストロー廃止」だと、ストローを扱っている企業の“株”の選別だけで済みます。

少しずつ読み取れてきましたね?
まずはストローから全廃にと言ったところでしょう。
機関投資家も大変なのです。
海洋のプラスチックゴミで傷つく生物の事を考えている暇もない位に…ね。

まとめ

最後はあくまで私の持論であります。
真実は分かりません。
しかし、

何故ストローなのかを考えた時、これ以上にしっくりくる答えがありますか?

出来れば、全ての人が本当に海洋生物の為に声をあげていると考えたいところですね。
では、まとめてみましょう。

  • 多くの企業がプラスチック製ストローの廃止に動き出しました。
  • そもそもの発端は海洋プラスチック問題。
  • プラスチックはマイクロプラスチックとなり海洋を漂う。
  • EU諸国は先陣を切って動き出しました。
  • 一番熱心にこの問題で企業に圧力をかけているのは機関投資家。
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