当ブログでは、色々な生き物を紹介していますが、カエルの登場回数が多いのは私がカエルやイモリのような両生類が好きだからです。
今回紹介するカエルは、
そんなカエル、モリアオガエルです。
モリアオガエルの基本情報
大きさ:オスで6cm前後、メスで7cm前後
寿命:3年~5年
生息地:本州、佐渡島
モリアオガエルの生態・特徴
モリアオガエルは日本固有種で、本州と佐渡島に生息しおり、メスの方が大きくなり、オスは咽頭下の鳴嚢を膨らませて鳴くカエルです。
樹上の生活に適した大きい丸い吸盤を指先に持ち、第3指が最も長く、指の間には水かきが発達しています。
もう少し詳しく見てみましょう!
個体差のある体色
モリアオガエルの体色は個体差が大きく、
体表はつやがなく、目の虹彩は赤褐色になるのも特徴です。
何を食べているの?何に食べられるの?
モリアオガエルの成体は一般的なカエル同様に肉食で、
また、オタマジャクシの期間は藻や動物の死骸を小さい歯で削り取って食べており、ヤゴ、ゲンゴロウ、タイコウチ、アカハライモリといった生き物に捕食されます。
成長とともに水辺から森林へ
オタマジャクシから前後の足が生えカエルへと変態し始めた幼体は、陸に上がりしばらく水辺で生活しますが、やがて森林で生活を始めます。
冬になると浅い土の中のコケの下で冬眠を行います。
シュレーゲルアオガエルとの違い
モリアオガエルにすごく似たカエルなのですが、発見当初モリアオガエルはシュレーゲルアオガエルの変種として考えられていました。
後に分類が見直され、交配実験によりモリアオガエルとシュレーゲルアオガエルは別の種であると判断されました。
モリアオガエルはシュレーゲルアオガエルより大型になり、虹彩はモリアオガエルが赤っぽいことで見分けます。
また、お馴染みのカエル、二ホンアマガエルとの見分け方は簡単で、ニホンアマガエルは目から耳にかけて黒い帯模様があります。
二ホンアマガエルに関してはこちらをご覧いただければ幸いです。
モリアオガエルの特徴的な産卵
モリアオガエルの特徴を挙げる際に、最も特徴的に見えるのはその産卵の仕方ではないでしょうか。
一般にカエルの産卵を想像した場合、水中での産卵が想像に容易いと思います。
しかし、
樹上に目立つ卵塊があるので、繁殖期のモリアオガエルの卵はとても見つけやすいです。
前述したシュレーゲルアオガエルも、泡状の卵塊を形成する種ですが、田んぼなどの畦に穴を掘り、地中に産み付けるので、こちらはほとんど目にすることはありません。
モリアオガエルの卵塊は、作られる過程にも生き物の面白さが垣間見えます。
まず、繁殖のために生まれた水辺に帰ってきたモリアオガエルは、産卵する場所を見つけると、1匹のメスに複数のオスが群がります。
メスは粘液を出し、オスはそれを足でかき混ぜながら精子を出し、泡の塊を作っていきます。
そして、その中にメスは卵を300~800個ほど産みつけるのですが、この泡の中でオスの精子はメスの未受精卵をめぐり激しい争いが繰り広げられます。
モリアオガエルの精巣が際立って大きい理由は、この競争原理にあると推測されています。
卵は一週間ほどで孵化し、孵化したオタマジャクシは泡の塊の中で雨の日を待ちます。
泡が雨により崩れだすと、オタマジャクシは下の水面へ落下し、陸に上がるまでの間を水中で過ごします。
ちなみに、このオタマジャクシの天敵でもあるアカハライモリは、落ちてくるのを待ち構え落ちてくるなり捕食し始めます。
アカハライモリも可愛いし、彼らも生きるのに必死だし、それが自然の摂理なのでなんとも言えませんが、自然って過酷ですね…。
モリアオガエルの鳴き声
モリアオガエルは鳴き声もとても綺麗で私は好きです。
上述しましたように、繁殖のために生まれた水辺に帰ってきたモリアオガエルは、まずオスが産卵する場所に集まり、メスを鳴きながら待ちます。
里山遊び、山登りをしている時に、この鳴き声を聞くともう気になって気になって仕方がありません。
モリアオガエルだけに限らず、
まとめ
モリアオガエルについて紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
水面上の木の枝や草に、泡で包まれた卵塊を産み付けるという珍しい生態を持ちます。
産卵、鳴き声ともに、とても身近に感じることの出来るカエルなので、
でも、探しに行くと意外と見つからないんですよね〜。