意外と好きだという人も多いウーパールーパー。
トカゲやイモリやカエルはダメだけどウーパールーパーは大丈夫という方もいますよね。
実はこのウーパールーパーと呼ばれている生き物は正式にはメキシコサンショウウオといい、さらには多くの人が正式名称だと思っているアホロートルという名称も幼形成熟した状態を指す名称です。
今回はこのウーパールーパー(メキシコサンショウウオ)の生態や可愛さをお伝えしたいと思います。
ぜひ最後まで読んでいただき、
ウーパールーパーの基本情報
大きさ:全長10~25cm(メスよりもオスの方が大型になる)
寿命:5~8年
生息地:メキシコのソチミルコ湖とその周辺
ウーパールーパーの生態・特徴
左右に3本ずつ外鰓があるのも、幼生の特徴を保持したまま成熟した証ですね。
他にも詳しく特徴を見てみましょう!
ネオテニー(幼形成熟)
カエルとオタマジャクシを想像してもらえれば分かりやすいと思いますが、両生類の幼生は鰓を持ち鰓呼吸を行い、変態することで肺や皮膚による呼吸を行うようになります。
しかしこのウーパールーパーは、通常幼生の形態を残したまま性成熟します。
これは、自然下で水温が低くヨウ素が少ない環境に生息することで、サイロキシンというホルモンを生成することができないため変態しないとされています。
この条件から外れると、
アルビノ
通常ウーパールーパーの背面の体色は灰色で、黒褐色の斑点が入ります。
ペットショップで安価に販売されている白ピンクのウーパールーパーですが、ネオテニーとアルビノという生き物の特殊な状態を二つ有してるわけなんですね。
なんだかウーパールーパーって凄い生き物なんだと思っていただければ十分です!
繁殖
繁殖は卵生で、水草などに1回に200~1,000個の卵を産みます。
何気に絶滅の危機に立たされるウーパールーパー
ペットショップで安価に売られているウーパールーパーを見ていると想像もできませんが、
原因は、メキシコ市の開発による排水でソチミル湖が汚染された事で、ペット人気での乱獲や本来いなかった天敵となる大型の魚類が放流された事もさらに個体数の減少に拍車をかけることになりました。
メキシコ、中でもさらに限定的な場所のみの生息は個体が減り始めると増やすことは大変です。
ちなみにウーパールーパーはこんな場所に生息しています。
ナショナルジオグラフィックのラテンアメリカ版2016年9月号の特集記事によると、「2020年までに絶滅するおそれがある」と科学者たちが警告していて、今年その2020年を迎えており、どういう状況になっているのか気になるところですね。
イモリと同じ再生能力を持つ
以前アカハライモリの紹介をした時に少しだけ再生能力に触れました。
このウーパールーパーも驚異の再生能力を秘めています。
共食いしたりし、手足や尻尾が切れてしまっても再生します。
その再生能力のカギを握るのが、巨大サイズのゲノムです。
人間のゲノムサイズが約30億塩基対に対し、ウーパールーパーのゲノムサイズは約320億塩基対という長大な塩基配列を有しています。
イモリやウーパールーパーの再生能力を人間の再生医療に転用できないかと日夜研究がなされていますが、この巨大ゲノムがそれを困難な状況にしています。
ウーパールーパーを一躍有名にしたもの
ウーパールーパーといえばその昔一世風靡したという認識はあります。
ちょっと調べてみました。
1985年にTBS系局で放映された「わくわく動物ランド」という番組で取り上げられたみたいです。
また、「日清焼そばU.F.O.」のCMにも出ていたみたいです。
ウーパールーパーの呼び名はこのCMで定着したみたいですね!
「最近日清CM攻めてるな~」と思って見ていたのですが、どうやら昔からのようでした。
興味のある方は是非一度視聴してみて下さい。
まとめ
愛らしい表情で癒される生き物ウーパールーパーをお伝えしてきました。
近年では「ゲノム編集」という言葉が簡単に飛び交っていますが、
ボーっと何考えてるか分からない可愛い生き物が意外と凄かったりするんですね。
改めて生き物の面白さに気づかされますね。
そしてそんな凄い能力を持つウーパールーパーが、絶滅の危機に瀕しているというところも驚きですよね。