もうすぐ春、鳥たちのさえずりにも活気が出てくる季節がやってきますね。
春の鳥と言えば、
梅の花に誘われて、“あの鳥”が稀に姿を見せてくれると嬉しくなりますよね。
そう「ホーホケキョ」と鳴く、“あの鳥”。
今回はウグイスだと勘違いされている方も多い、メジロという春の鳥の紹介です。
メジロの基本情報
大きさ:11.5cm
寿命:3~5年
生息地:日本、韓国、フィリピン、インドネシア、東ティモール
メジロの生態・特徴
緑っぽい背中に褐色の羽を持っており、雌雄による色の差はありません。
もう少し詳しく見てみましょう!
和名の由来
メジロという和名の由来となっているのは、見たままの目の周囲の白色の部分。
漢字で表記した場合、「目白」と「繍眼児」2通りの表記があります。
「繍眼児」は漢語に由来しており、「目の周囲に刺繍されたような羽毛がある児」という意味があると言われていますので、漢字表記でもやはり目の外縁の特徴を捉えているのが分かりますね。
何を食べているの?
メジロの食性は、育雛期に虫などを捕食する事から、一応は雑食なのですが、
春には花の蜜を求めて大きく移動するものもいて、椿や梅の花に群がる光景が観察できるため、春を告げる鳥、“春告鳥”と言われています。
また、花の蜜を好むことから、「はなすい」や「はなつゆ」という地方名もあります。
冬季には、ヨシ原で観察されることもあるのですが、これはヨシに着いた虫を食べていると言われております。
群れと番いでの行動
非繁殖期は山地から平地に移動し、群れで行動することが多いメジロ。
この時期はシジュウカラなどのカラ類と混群を形成することも多いのですが、繁殖期には番い(つがい)で分散し、2羽で鳴き交わしながら花から花へと飛び回る様子がよく観察される。
睡眠時は群れ全体でギュッとなって枝にとまる習性があるため、
この行動から“目白押し”という言葉がうまれたのですが、後ほど改めて解説します。
メジロとウグイスの違い
冒頭でメジロとウグイスが勘違いしやすいとお伝えしましたが、ここで違いと簡単な見分け方を見ていきましょう!
メジロとウグイスはどちらも春を告げる鳥として古くから日本人に親しまれてきましたが、さえずりが聞こえてくる時期が重なることで、
すでにお伝えしましたように、メジロは花の蜜を好み、梅の花に集まってきます。
しかし一方で、ウグイスは主に虫や木の実などを食べているので、花の蜜を吸う事は滅多にありません。
花札でも梅とセットでウグイスが描かれているぐらい梅とウグイスは春を象徴する存在です。
この印象が多くの人にメジロとウグイスを混同してしまう要因を作りました。
観察のしやすさで、
そう、梅を鑑賞に行き、ウグイスのさえずりが聞こえてきたとき、花札の絵柄のように目の前に姿を現してくれる緑色の鳥は、まずメジロと言えるでしょう。
また「鶯色」という色の名前にもメジロとウグイスの混同の原因があり、“ウグイスの色”を想像した場合、多くの人は綺麗な緑っぽい色を想像してしまいます。
しかしその色はメジロの色で、ウグイスの色はどちらかというと上の画像のような「鶯茶色」に近いと感じます。
ウグイスはなかなか目の前に姿を見せてくれませんので、目の前に“それっぽい鳥”を見かけたら大体メジロだと考えても問題はないのですが、やはりもっと簡単に見分けるには前述したメジロの目の外縁の白い部分でしょう。
ウグイスは意外と地味な見た目なんです。
メジロは花の蜜が好き
メジロは梅などの甘い蜜を好み、
その為、春に切った果物や砂糖水を庭先に用意しておくことで、メジロを呼ぶことが出来るので、昔から野鳥の観察において馴染み深い鳥と言えるでしょう。
子どもの頃、こういった遊び方をしてメジロと触れ合ったことがある方もいるのではないでしょうか?
慣れた人だと、
一度これに挑戦してみたいなと思うと同時に、メジロの警戒心の緩さが分かる事例でもありますね。
目白押し
群れの行動でも少しお伝えした「目白押し」という言葉。
メジロはお互いにギュッと押し合うように集まったり、密に並んで枝に並ぶ習性があることから、
また、長めの腰掛に一列に並び、肩を左右に押し合って端の者を順々に押し出す遊びも「目白押し」と言います。
まとめ
春告げ鳥でもあるメジロを紹介しました。
ウグイスと混同されがちですが、より人に身近な鳥だということが分かりますね。
ウグイスに関してもしっかりと紹介しておりますので、興味を持って下さった方はそちらもご覧ください!