人を含む哺乳類は子どもを産む胎生、それ以外は卵を産む卵生。
そう考えるのが一般的なのですが、実はそこまで単純ではないのが生き物の面白いところ。
今回紹介するカモノハシは分類上哺乳類ですが、
そんな奇妙な生き物カモノハシを紹介します!
カモノハシの基本情報
大きさ:オスで最大63cm、メスで最大55cm、尾長は13cm前後
寿命:17年くらい(最大で21年)
生息地:タスマニアを含むオーストラリアの東部
カモノハシの生態・特徴
カモノハシの特徴的な見た目を他の動物で例えると、
ある意味一番ポケモンに近い生き物かもしれない。
もう少し詳しく見てみましょう!
クチバシと水かきがある
クチバシはゴムのように弾性があり、敏感な神経が通っています。
この神経はとても優秀で、獲物の生体電流を感知することが出来ます。
しかし、この優秀な感知能力を手に入れる為、クチバシの電気感覚を脳に伝える三叉神経を発達させるかわりに、
また、短い足に発達した水かきがついているので、水中での活動の方が得意なのですが、水かきを格納すると爪が出てくるので、一応陸上で走ることも出来ます。
乳首はない
冒頭でもお伝えしましたが、カモノハシは哺乳類です。
哺乳類の特徴でもある、乳で子どもを育てはするのですが、乳首はありません。
毒がある
奇妙な見た目で、キャラクターとしてもよく描かれるカモノハシは、多くの場合どことなくゆるい印象で描かれることが多いと思います。
しかし、そんなカモノハシ、
後肢には蹴爪があり、この蹴爪から毒が分泌されますが、オスはずっとこの蹴爪があり、メスは成長の過程で消失してしまいます。
この毒はカモノハシの免疫機構で生産される抗微生物ペプチドのようなタンパク質類で構成され、小動物を殺すことが出来る程度の強さを持っています。
人間がカモノハシの毒で死亡したという報告はないようですが、
何気にカモノハシって恐ろしいのですね~。
オーストラリアに旅行中に発見出来たら思わず触ってしまいそうですが、絶対にやめましょう!
発見当初模造標本と疑われた
奇妙な見た目のカモノハシ。
カモノハシは1798年にヨーロッパ人によって発見されたのですが、
確かに、初めてカモノハシを見せられても、ビーバーにクチバシを付けただけだろうと思ってしまうでしょうね!
当時の人も必死に縫い目を探し、毛皮に切り込みを入れた模様です。
そう考えると船で海を渡り未開の地に足を踏み入れるワクワク感ってすごかったでしょうね!
カモノハシの天敵
そんなカモノハシですが、食性は肉食性で、夜に活動し、昆虫類、甲殻類、貝類、ミミズ、魚類、両生類などを捕食します。
水辺に巣穴を作ってキツネやワシといった天敵から身を守っています。
冷たい水中で生き延びるために毛皮は水を通さない分厚いものになっているのですが、地球温暖化が囁かれる昨今、
人間も夏に毛皮を着て生活出来ないですよね。
カモノハシの生息状況と過去の気候データからカモノハシの個体数の減少を関連付ける研究がなされました。
その研究で、温暖化がカモノハシにどれぐらい影響があるのか導き出された答えは、「最悪の場合、生息域が現在の3分の1に減少する」というものでした。
注視したいのは、個体が3分の1に減少するのではなく、“生息域が”減少するというところ。
オーストラリア大陸から姿を消し、
整地やダム建設なども生息域を減少される要因となるので、カモノハシの一番の天敵は人間かもしれないですね。
まぁそれはどんな生き物にも当てはまることでしょう。
繁殖
冒頭でも少し触れましたが、カモノハシの繁殖の仕方は非常に独特です。
哺乳類では非常に珍しい卵生で、
卵はメスが抱卵し、10日ほどで孵化するのですが、生まれたての子どもは2センチほどの大きさしかなく非常に頼りない状態と言えます。
母親は、そこから子どもが自力で泳げるようになるまでの3~4か月の間、子どもの面倒を見ます。
まとめ
カモノハシについて紹介しました!
理科の教科書で読んで、
しかし、
発見当初模造品だと思われていたことや、自身の毛皮が気候変動により大惨事となりうるということ。
日本の動物園で展示された事がまだないし、これからもきっとないであろうカモノハシ。
まだまだ知らないカモノハシの側面もいっぱいありますね。
ちなみに、