今年も残すところ後1ヶ月を切りましたね。
デパートやスーパーや各種飲食店、さらにはコンビニまで、この時期「おせちの予約承ります!」と言ったものを見かけます。
まだまだ田舎の方に行けば、年末からおせちの仕込みを始めて新年を迎えるといった方も多いですが、最近はおせちは買うものといった流れが色濃くなりました。
買ってくるぐらいなら、
そういった疑問も出てくる“おせち”という存在。
今回はおせちについて考えてみましょう。
おせち料理
漢字で書くと“御節料理”です。
字の通り、節会や節句、すなわち季節の節目に作られていた料理を御節料理と呼びます。
季節の節目として最も重要なのが、お正月なので、御節料理と言えばお正月の料理を指すようになってきました。
おせちの歴史
現在のおせちの形は重箱に詰められた豪華な形を想像しますが、元来そういうものではありませんでした。
その歴史は、中国から伝わった五節供の行事に由来し、奈良時代の朝廷内で節会として行われた行事に供えられていたもので、
時代とともにその形は変わっていき、江戸時代の武家作法を中心に、現在の形へと移り変わっていき、第二次世界大戦後に現在の形で確立されました。
現在の形に確立されたのは、
おせちの内容
おせちの構成は地方により異なりますが、基本的には、
また、使われる食材にそれぞれ由緒があり、お正月の縁起物とされているので、一般的なおせち料理で使われる食材を少し紹介しましょう。
祝い肴(口取)
黒豆や数の子や田作り(ごまめ)等が有名ですよね。
他にも、たたきごぼうや紅白かまぼこ、伊達巻もこの祝い肴(口取)とされる料理です。
焼き肴
代表的なものは何と言っても、鯛ですよね。
他にも、出世魚であるブリも出世を祈願した肴として使われます。
脱皮をし長生きする海老も、縁起がいい焼き肴の一種です。
酢の物
縁起のいい紅白の水引にあやかった紅白なますや、穴が沢山あり、将来の見通しが立てられるという意味合いで酢レンコンなんかもこの酢の物として振舞われる料理です。
煮物
代表的なものでは、昆布巻きが挙げられ、
他にも、武家社会の名残を残した、陣笠椎茸、楯豆腐、手綱蒟蒻なんかも一度は目にした有名なおせち料理です。
くわいも、大きな芽を出す事から縁起物として煮物の一種に入ります。
スカスカのおせち事件
もう何年も前になりますが、
2011年に水口憲治社長が経営するバードカフェがグルーポン上で販売したおせちが、中身がスカスカだという事で、話題となった事件です。
私は、この事件があった事で、今日の「おせちと言えば作るより買う!」という認識が徐々に高まったのでは無いかと感じました。
2011年当初、おせちを通販で買うという認識はまだまだ薄かったと記憶しています。
そして、この事件があり、「やっぱりおせちを通販で買うのは…」と多くの方が感じたのでは無いでしょうか?
しかし、この事件から数年、「今年はどんなおせちがスカスカになる事件があるのだろう?」と多くの方が、悪い意味で期待したと思います。
しかし、企業側はこの事件後とてもしっかりと美味しそうなおせちを作るようになりました。
しっかりと美味しそうなおせちを目の当たりにする事件を気にする消費者が、「一度買ってみようかな?」と気持ちが揺らぎだしたのではないでしょうか?
そこからは一気に年末になると、
当時スカスカのおせちを買ってしまった方は、お正月からやり切れない気持ちだっと思いますが、最近では本当に美味しいおせちを買えるようになりましたよね。
まとめ
おせちについてお伝えしました。
戦後のデパート等が今の豪華な印象を確立したと考えると、少し考えてしまう部分でもあります。
昨今のおせちは、特に上で紹介したような“おせちらしい食材”が徐々に無くなってきていると感じます。
ローストビーフが入っていたり、中華おせちなんてものもあったりします。
私達日本人は、例えば海外のお寿司を見て、「それはお寿司じゃない!」と断言してしまいますが、
なんとも不思議な感じがします。
とは言うものの、歴史的に見てもおせちは変わりゆくものなので、
皆様、おせちのご予約はお済みですか?
追記(2018年12月27日)
おせちの後の行事食と言えば“七草粥”ですよね?
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