田んぼの生き物でダルマガエルを忘れてはいけません!減少している原因も解説

田んぼの生き物でダルマガエルを忘れてはいけません!減少している原因も解説

ダルマガエルのイラスト
皆様は日本にいるカエルの種類をどのくらい知っていますか?
過去にも当ブログで日本に生息するカエルを紹介してきました。

今日紹介するカエルは日本固有種、ダルマガエルです。

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ダルマガエルの基本情報

大きさ:体長3.5〜8.5cm
寿命:野生で3年ぐらい(飼育下だと5年ぐらい)
生息地:日本

ダルマガエルの生態・特徴


体長3.5〜8.5cm程度でメスの方が大きく、皮膚の表面には隆起が少なく比較的滑らかで、口の先は尖っています。
体色は背面が緑褐色や淡褐色で、黒褐色の斑紋があり、腹面は白色で、淡黒褐色の地衣状斑紋をもつ個体もいます。
体形が太く後肢が短い為、和名でもある“ダルマ”に例えられています。
もう少し見てみましょう!

どんなところに棲んでるの?

水田や、低地の流れの緩やかな河川や池沼や湿原に生息しています。
半水棲で水辺から離れることはまれです。
見た目がトノサマガエルと似ているが、トノサマガエルと同じ地域に分布するダルマガエルは生息地や繁殖期が重複しないように住み分けされています。
冬になると水の干上がった水田の泥中や藁の下などに潜り冬眠します。

何を食べているの?

食性は動物食で、昆虫やクモ、ミミズ、 小さなカエル、小型のヘビを捕食します。
幼生は雑食で落ち葉や水草などを食べています。

繁殖

繁殖形態は卵生で、繁殖期になるとオスは縄張りを形成、侵入した他のオスを追い払います。
繁殖音は水面に浮かびながら行います。
4〜7月に水田や止水に寒天質に包まれた卵を1回に1,300〜2,200個産みます。
幼生は7〜9月に変態して幼体になります。
成熟して交尾・産卵するようになるのは2年目からです。

ダルマガエルの亜種

ダルマガエルは、ナゴヤダルマガエルとトウキョウダルマガエルの2亜種に分けられます。
それぞれの分布域と見分け方を見てみましょう。

分布

ナゴヤダルマガエルは愛知県から広島県にかけてと、香川県に分布し、トウキョウダルマガエルは仙台平野から関東平野にかけてと、長野県、新潟県に分布します。
北海道の一部にいるダルマガエルは国内外来種です。

見分け方

ナゴヤダルマガエルとトウキョウダルマガエルの見分け方は、まず背中を見ます。
正中線上に筋模様があるとトウキョウダルマガエルの可能性が高いです。
ナゴヤダルマガエル(特に瀬戸内地方の個体群)には筋模様がない個体が多いからです。
腹部を見てみると、ナゴヤダルマガエルは網目状の斑紋が入っていますが、トウキョウダルマガエルには明瞭な斑紋はありません。
また、ナゴヤダルマガエルは形態や鳴き声から名古屋種族(東海地方から近畿地方の個体群)と岡山種族(瀬戸内地方の個体群)に分けることもあります。

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トノサマガエルとの違い

ダルマガエルはトノサマガエルにとてもよく似ています。
ダルマガエルのことを知らない人が多いので、一括りにトノサマガエルと認識している場合が多いです。
トノサマガエルは関東地方に自然分布していないので、関東で見かけるこの見た目のカエルはまずトウキョウダルマガエルだと考えてください。
形態的な見分け方としては、トノサマガエルの腹部はダルマガエルのように網目状の斑紋がなく、白いです。
そして、トノサマガエルは後肢の中指が鼓膜に届くのに対し、ダルマガエルは鼓膜に届きません。
慣れてくると、シュッとしているのがトノサマガエルで、ポテッとしてるのがダルマガエルぐらいに見分けやすくなります。

ダルマガエルが減少した主な原因

ダルマガエルは全国的に減少傾向にあります。
まず挙げられるその原因として、水田の減少が挙げられます。
住宅地や商用地にするため水田が破壊されたり、減反政策や農家さんの高齢化で稲作を毎年行わない水田が多くなったからです。
そして、水田はあるものの、用水路が昔ながらの土からコンクリートになったこともダルマガエルが減少する原因と考えられます。
コンクリートで作られた用水路はカエルが棲める環境ではないため、用水路へと避難したカエルはそのまま水田に戻れなくなります。
冬に行われる圃場整備もダルマガエルの減少につながります。
冬眠中に掘り起こされたダルマガエルは寒さに負け、再び土に戻ることができません。
また、人為的に移入されたウシガエルによる捕食も、ダルマガエルが減少する原因となっています。

まとめ

ダルマガエルの紹介をしました。
探してみると意外と見つかるダルマガエル。
ただ、年々数を減らしています。
私は水辺や里山の生き物を探しに行くのが好きなのですが、“のどかな田園風景”と言われるような場所でも、基本的に用水路はコンクリートです。
もちろん用水路も河川もコンクリートにすることで、人間の生活は豊かになります。
でも、本当にそれでいいのでしょうか。
ダルマガエルを通して考えなくてはいけないと感じました。

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