太陽には黒いシミのようなものがあり、私達はそれを黒点と認識してそう呼んでいますよね。
しかし、
今回の「太陽の話」は黒点に関してお伝えします。
そして、この黒点の数、現在どんどんと減っているのですが、この先地球にどう影響があるのかも合わせてお伝えします。
太陽にある黒点を発見したガリレオの苦悩
太陽は昔から人々の興味を示し、太陽をもとに様々なものの基準を作られたり、以前の記事では神様として扱ったりしていたとお伝えしました。
そんな太陽をより深く観察し、
これには諸説あり、古代のエジプトにも、古代のギリシャにも古くから黒点を示すような記録は残っていて、中国では漢の時代に既に黒点を記録したものがあるのですが、一般的に“発見”したとされているのは、ダーヴィト・ファブリツィウスというドイツの牧師でありながら、天文学に長けていた人物です。
しかし、
ここでは、太陽を直視し過ぎた為か晩年に失明した、ガリレオの苦悩についてお話ししましょう。
ガリレオは、「地動説」をめぐり異端審問所審査にかけられた事で有名ですが、実は地動説のみではなく、
ある日、ガリレオは望遠鏡で太陽を見ていた時、太陽にある黒いシミを見つけ、事細かく日々の太陽のシミを記録し続けたのです。
当時の太陽は、神も同然の存在、神にシミがあると発表したガリレオは、当時最大の力を持っていた教会から、その事を言及され、修正を求められるのです。
ガリレオは多岐に渡る天才的な能力と引き換えに、世渡りの能力は皆無でした。
それ故、今では最も知られている学者の一人ですが、当時は異端者以外の何者でもなかったのです。
黒点と磁場の関係
地球には北極と南極と呼ばれる場所があり、
太陽にも磁場が働いていて、太陽自体が大きな磁石のようになっているのですが、地球のように単純ではありません。
というのも、太陽は緯度によりスピードの異なる自転をしており、これには黒点が大いに関わっているのです。
黒点は非常に強い磁場を持っていて、そのエネルギーがコロナ等の様々な活動の源になっています。(コロナ等、太陽表面の様子はまたの機会にお伝え致します。)
これまで、磁場を発生させる元となる電流は太陽の内部によるものだと考えていましたが、
黒点が黒いのは磁場が強いから
これは小学校の理科の時間でも習いましたよね。
そうです、太陽表面の他の部分(光球)に比べ、黒点の温度が低いからです。
光球の温度は約6,000度、黒点の温度は約4,000度と言われています。
磁場が強い事で、太陽のエネルギーが表面に出てこれない場所、それが黒点なのです。
太陽は大きな磁石と上述しましたが、この黒点は局所的な磁石の様相を持っており、表面に出てこれなかったエネルギーは他の場所に運ばれます。
そこは白斑と呼ばれ、明るくとても高い温度(約7,000度)となります。
太陽本体と表面の黒点と白斑は、大きい磁石に小さい磁石をくっつけたようなイメージというわけですね。
黒点の数と地球の関係
宇宙天気情報センター(NICT)というところで、黒点情報が見られるので興味がある方は、一度ご覧ください。
「宇宙天気情報センター(NICT)の黒点情報」はこちら
この数値を見ていただくと分かることがありますよね。
そう、
これがどういう事を意味するのか、とても気になるところではありますよね?
実は、これは太陽が不活発な周期へと変わろうとしているからなのです。
太陽は極大期と極小期という周期を繰り返しており、極大期には「太陽がより多くの熱を放ち」黒点が増えます。
一方、太陽極小期には磁気波が減少するために「熱の放出量が低下」します。
前回、極小期がしばらく続き小さな氷河期となった「マウンダー極小期」は1645年から1715年まで続きました。
まとめ
太陽の黒点って、ただの太陽のシミではなく、私達が太陽の状態や、将来的な地球の事を探る上でも意外と重要な要素だと分かりましたね。
もし、数年後にマウンダー極小期程度の年数の極小期が到来し、小さな氷河期を迎えた場合、現在30〜40歳以下の方は人生の大半を小氷河期で過ごす事になります。
黒点の動きから目が離せませんね!
だからと言って、直接太陽を肉眼で見ることは決してやらないで下さいね!
他にも太陽に関する記事を執筆しておりますので、そちらもよろしければ見ていただけると幸いです。
追記(2018年12月14日)
過去の極小期には、現在国内で生息域が北海道しかないタンチョウも、
興味のある方、よろしければこちらもご覧ください。