赤チンが製造禁止!?傷が治るメカニズムから見えてくる消毒薬に対する認識

赤チンが製造禁止!?傷が治るメカニズムから見えてくる消毒薬に対する認識

赤チン終了のイラスト

怪我をした時、傷口には何を塗りますか?

年配の方の中には、「子供の頃は赤チンを塗っていたな〜」という方もいるはず。
現在ではめっきりと見かけなくなりましたよね。
この「赤チン」、2020年末にはついに製造自体が禁止となり、今年(2019年)6月以降で製造販売を続ける製薬会社は1社となります。
赤チンとは一体何なのか、そして製造が禁止となった理由、最後まで製造販売をする製薬会社、また傷が治るメカニズムから正しい怪我の治し方を見てみましょう。

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赤チンとは

そもそも今は懐かしい赤チンとは、マーキュロクロム液の通称として知られているもので、1918年にジョンズ・ホプキンス病院のヒュー・ヤング医師によって発見された殺菌作用のあるメルプロミンの水溶液です。
このメルプロミンの水溶液が赤褐色であり、

同じ殺菌作用を目的として使用されているヨードチンキ(ヨーチン)が茶色なのに対して、「赤チン」と呼ばれるようになりました。

ヨードチンキに比べ傷にしみない事がウケ、全世界で家庭用の常備薬として長らく使用されてきました。
傷に使用した場合、皮膚が鮮やかな赤色に染まる様子に、年配の方を中心に今でも懐かしさを抱く人や、現在でも使用されているファンの方もいます。
しかし、

1998年にアメリカでの流通が停止し、ドイツ、フランスと順に販売が停止されました。

現在では、多くの国で他の殺菌薬に置き換わってきましたが、メルブロミンの価格が異常に安い為、発展途上国では特に、未だ重要な殺菌薬となっています。

製造が禁止となった理由

多くの方の膝小僧を赤く染め、愛された「赤チン」ですが、2020年を持って製造販売が禁止となります。
メルブロミンは製造工程で水銀が発生するという理由で、1973年頃に製造が中止されました。
それでも常備薬として求める声が多く、また、製薬会社がメルブロミンの“希釈液”を製造することは禁止されていない為、現在販売されている「赤チン」は海外で製造した原料のメルプロミンを輸入し、希釈液を製造し販売しております。
しかし、2020年12月31日に水銀による環境の汚染の防止に関する法律によって国内での製造も規制され、ついには長らく愛されてきた「赤チン」に幕が降ろされるようになりました。

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2019年6月以降にも製造販売する国内最後の1社

現在(2019年4月)国内で流通している「赤チン」は、三栄製薬株式会社のマーキュロクロム液「サンエイ-S」と、小堺製薬のマーキュロクロム液「コザカイ・P」マーキュロクロム液「コザカイ・S」マーキュロクロム液「コザカイ・M」と、フヂミ製薬所の マーキュロクロム液FMのみとなっています。
フヂミ製薬所は2015年に廃業されていますので、

現在でも「赤チン」を製造販売している製薬会社は三栄製薬と小堺製薬の2社となっております。

この2社が2020年12月31日まで「赤チン」の販売を続けるのかというと、そういう訳にもいかず、

2017年12月に厚生労働省は「マーキュロクロム」「マーキュロクロム液」の2つを2019年5月31日をもって日本薬局方から削除することを発表しております。

これにより、「日本薬局方」を記載したパッケージの「赤チン」を販売出来なくなり、パッケージを刷新した場合、改めて承認審査を通さなければならないのです。
これを受け、小堺製薬は「赤チン」の製造中止を決定しましたが、三栄製薬は2020年いっぱいまでは原料がある限り製造し続けるとし、新しいパッケージにリニューアルし、既に出荷も始めました。
店頭にある「赤チン」が2019年5月31日をもって、三栄製薬のもののみとなってしまう事は少し寂しさを感じる方も多いかもしれませんが、最後まで愛用者の為に製造を決めた三栄製薬の決意が伺えます。

傷が治るメカニズムと最適な対処法

「赤チン」がなくなって心配という方に、少し話を「赤チン」自体から傷に関するものに変えてみましょう。
そもそも傷ってどのように治っていくのでしょうか。
簡単にまとめますと、正常な傷は以下のプロセスで傷は治癒していきます。

①傷を負った皮膚が出血により血液凝固を起こし傷をふさいで止血しようとします。
②好中球・単球・マクロファージ等が体内に入ろうとする病原菌を攻撃します。
③傷口にやってきた線維芽細胞が皮膚を再生させようと細胞を集めます。
④線維芽細胞が減少しコラーゲンが再配列されゆっくり新しい細胞に生まれ変わります。

「赤チン」は②の部分の病原菌に対して効果を発揮していました。
こう言ってしまうと、「やはり赤チンは必要だ!」と思うかもしれません。
しかし、これは赤チンだけに限らず、消毒剤全てに言える事で、確かに消毒は病原菌に対しては有効ですが、

正常な細胞に対しても効果を出す為、傷が治るのを遅らせてしまうのです。

赤チンが時代の非常識のように言われますが、傷を治すのに「消毒をする事自体が非常識」と言われるようになってきました。
怪我の程度にもよりますが、軽度な傷は体が自然と治癒してくれるのを待つのが一番いいという事です。
この際に出来るだけ傷口は乾燥させない方がいいのですが、今回のテーマは「赤チン」ですので、詳しくはまたの機会にお伝えしましょう。

まとめ

「赤チン」に関する情報をお伝えしました。
赤チンが製造禁止になり、寂しい思いをする方も多いと思います。
しかし、

消毒そのものを考える機会にもなったのではないでしょうか?
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