世界の子育て費用ランキングと日本の子育てのしやすさ

世界の子育て費用ランキングと日本の子育てのしやすさ

子育て費用のイラスト
アメリカの金融機関ジェフリーズが子育て費用のランキングを発表しました。
私自身も昨年第一子が誕生し、子育てにどれぐらい費用がかかるのか計算してみると、このランキングと少子化に頷ける結果となりました。
先に申しておきますと、子育て費用のランキング1位が韓国で2位が中国となっており、なぜこうも欧米諸国と東アジア諸国で子育てにかかる費用が違うのでしょうか。
この記事では、子育て費用ランキングについて、また子育てしやすい国とはいったいどういう国なのかに関して、そして最後に日本が子育てのしやすい国になるにはどうすればいいのかについてお伝えしたいと思います。

Advertisement

世界の子育て費用ランキング

米金融機関ジェフリーズは、子どもが誕生してから18歳になるまでの各国の子育てにかかる費用をランキングで発表しました。
このランキングは、中国の人口調査機関のデータをもとに、1人あたりのGDP(国内総生産)に占める子育て費用の割合を比較したもので、18歳になるまでの子育て費用が世界一高い国は韓国という結果になりました。
韓国に次ぐ子育て費用の高い国は中国となり、次にイタリアと続きました。
昨今の韓国や中国の受験戦争の報道を見ていると、1位と2位という結果は納得できます。
3位に入っているイタリアの子育て費用が高くなる要因にはこんな言葉で納得できます。
「子ども一人育てるのにフェラーリ一台分のお金がかかる。」
あまりイメージにないかもしれませんが、イタリアは公的サポートの充実度が低いことで知られています。
多くのイタリアの子育て世帯はイタリアの高級ブランドも高級車も諦めて子育てしなければいけないというのは、なんとも皮肉めいていますね。
日本における子育て費用は上位14カ国の中間ぐらいにアメリカとドイツに挟まれるように位置していました。
また、欧米諸国が子育て費用を抑えられている要因として、教育費が少ないことが挙げられます。
学校の無償化が進んでいる国もありますが、そうではない国においては、学生ローンで教育費を補っているというケースがあります。
すなわち、子育て費用は低くなっていても、借金はあるという状態です。
アメリカでは50%以上の学生が卒業時に借金を抱えると言われています。
ちなみに、日本で少子化が社会問題の一つになっています。
日本の出生率は1.4ぐらいで、先進国の中でも低い方です。
しかし、その日本よりも低い出生率の国にイタリアと韓国はあります。
子育て費用が高くなればそれだけ出生率も低下すると言えるのではないでしょうか。

Advertisement

子育てしやすい国ランキング

世界の子育て費用ランキングと対をなすとも言えるランキングもあります。
子育てしやすい国ランキングです。
こちらは、アメリカの企業「Asher & Lyric」が2020年に発表したデータになりますが、30種の国際データをもとに「安全性」「幸福度」「コスト」「健康」「教育」「子どもと過ごす時間」の6つのカテゴリーでOECD加盟国35カ国の子育て環境を評価し、ランキングを出しています。
1位から順番に、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ルクセンブルク、デンマーク、ドイツ、オーストリア、ベルギー、チェコと続きます。
もちろん世界の子育て費用ランキングで名前の挙がった国はここにはないですよね。
日本は25位で、35カ国中やはり下位にランクインしています。
6つのカテゴリーの中でも「安全性」と「教育」のスコアは評価が高い日本ですが、「子どもと過ごす時間」の評価が圧倒的に少ないようです。
特に父親が子どもと過ごす時間がかなり短いようです。
ちなみに、ランキングの1位アイスランドが育児のしやすい国として評価される理由として大きいのは、やはり子育てへの金銭面での負担がほとんどかからないことでしょう。
子どもを産むための通院費、出産費、入院費は無料で、0歳から18歳までの子どもの歯科治療を含めた医療費が基本的に無料で受けることができます。
大学までの授業料も原則無料で、誰もが平等に教育を受けられます。
また、男女平等社会も子育てのしやすさに影響があります。

幸福度ランキング

世界の子育て費用ランキングと子育てしやすい国ランキングに関してお伝えしてきましたが、もう一つ幸福度ランキングというものを紹介したいと思います。
2021年版は当ブログでも紹介しました。
2022年版の発表もあり、ほぼ同じようなランキングでフィンランドが5年連続1位となりました。

子育てしやすい国ランキングのカテゴリーに「幸福度」というものがあるだけに、この2つのランキングは似たような国が並んでいますよね。
日本の2022年の幸福度は、昨年から2つ順位を上げましたが、それでも54位です。
以前上記記事でも日本という国の特性として幸福度は上がりにくいとお伝えしました。
そうなると日本が子育てしやすい国になることはまずないでしょう。
ただ、上記記事でもお伝えしたように、“日本人は幸福を感じられないのではなく、幸福度ランキングで上位を取れないだけ”です。
ようするに、子育てしやすい国ランキングも欧米思考による子育てのしやすさのランキングで、必ずしも日本人が思う子育てのしやすさではないのではないでしょうか。
つまり、日本人が思う子育てのしやすい国になるには、単純に教育の無償化を進め、子育て費用ランキングを下げ、男女平等を進め、子どもと過ごせる時間を増やすことではないでしょうか。

Advertisement

時事ネタカテゴリの最新記事