2021年版幸福度ランキング発表!やはり日本人は幸福を感じにくいのか?

2021年版幸福度ランキング発表!やはり日本人は幸福を感じにくいのか?

幸福度ランキングのイラスト
世界各国の幸福度をランキングで示した国連による世界幸福度報告書
2021年版が国際幸福デーの前日3月19日に発表され、フィンランドが4年連続で1位となりました。
デンマークで、スイス、アイスランド、オランダと続きましたが、

気になる日本は何位だったのでしょうか?

下位5か国と、日本と幸福度ランキングの関係に関して考えてみましょう。

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2021年幸福度ランキング

日本では“幸福度ランキング”という名称で毎年発表されている、世界幸福度報告(World Happiness Report)。

国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する、幸福度調査のレポートです。

この調査における幸福度とは、自分の幸福度が0から10のどの段階にあるかを答える世論調査によって得られた数値の平均値であり、

主観的な値です。

データは、アメリカの世論調査やコンサルティングを行っているギャラップ社によって出されております。
この幸福度は以下の6つの説明変数を用い、回帰分析により求められています。

  • 人口あたりGDP(対数)
  • 社会的支援(ソーシャルサポート、困ったときに頼ることができる親戚や友人がいるか)
  • 健康寿命
  • 人生の選択の自由度(人生で何をするかの選択の自由に満足しているか)
  • 寛容さ・気前の良さ(過去1か月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるか)
  • 腐敗の認識(不満・悲しみ・怒りの少なさ、社会・政府に腐敗が蔓延していないか)

データでは150以上の国や地域を対象としており、それぞれの国の幸福度は0~10の値からなる各個人の回答の数値の平均値で求められています。

上位10か国


幸福度ランキング、上位10か国は以下の通りです。

1位:フィンランド
2位:デンマーク
3位:スイス
4位:アイスランド
5位:オランダ
6位:ノルウェー
7位:スウェーデン
8位:ルクセンブルク
9位:ニュージーランド
10位:オーストリア

欧州諸国以外でトップ10に入っているのは、ニュージーランドのみなので、このレポートからは欧州人の多くの人がいかに幸福感を持って生きているかが伺えますね。
フィンランドは4年連続の1位です。
オーロラ、サウナ、ムーミンなどで日本でも知られているフィンランドは、

教育水準でも世界一の国だと言われている北欧の国です。

こんなランキングを見せられたら一度住んでみたいなと思いますよね。

移民への“寛容さ”はどうなんでしょうか?

下位5か国


世界で最も幸福度が低いとされたのはアフガニスタンで、レソト、ボツワナ、ルワンダ、ジンバブエと続きます。
アフガニスタン以外は全てアフリカにある国々。
そして注目したいのは、

これらの国々は全て欧州の植民地支配を受けていた国だということ。
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日本の順位と推移


2021年幸福度ランキングでは、日本は56位でした。
日本は2010年代前半、40位台をキープしていましたが、後半から50位台に転落、2017年から昨年2020年までは毎年過去最低を記録していましたが、今年2021年は昨年の62位から順位を上げました。
以下は、初回の報告が行われた2012年からの日本の順位の推移です。

2012年
44位
2013年
43位
2014年
無し
2015年
46位
2016年
53位
2017年
51位
2018年
54位
2019年
58位
2020年
62位
2021年
56位

ちなみに日本は、6つの説明変数のうち、

「寛容さ・気前の良さ」が極端に低いです。

確かに、過去1か月の間にチャリティなどに寄付をしたことがあるかどうかを聞かれるととても辛い。

過去1ヶ月どころか人生で一度もチャリティに寄付をしたことがない人が日本には多いと思います。

日本人は幸福を感じられない?

幸福度は、人口あたりGDP、社会的支援、健康寿命、自由度、寛容さ、腐敗の認識で決められている。
確かに人口あたりのGDPは減少傾向にあります。
しかし、先進国で、生きていくことには何不自由なく生きていくことができ、ある程度社会的な保証も充実し、多くのものが手を伸ばそうとすれば手に入る日本なのに、

なんでこんなに幸福度ランキングが低いのでしょうか?

私は日本が幸福を感じられない最大の理由は、この“世界幸福度報告そのもの”にあると感じます。
このランキング、上述しましたように各個人が10段階につけたアンケートをもとに作成されています。
私たち日本人、広くはアジア圏の人間性として、10段階で「普通」を表現しようとすると、「5」を選んでしまいますよね?
しかし、このランキングの上位を占める国の人々は「普通」の表現に「8」ぐらいを選択するのです。
この時点で、このランキングの出し方だと日本は上位にランキング出来ることはまずありません。
そんなランキングを大々的に開示し、「日本は世界150か国中56位で、G7の中で最下位ですよ!」なんて言われたら、「あぁ、私たち日本人ってそんなに幸福ではないんだ…」って必要以上に思ってしまいます。
【社会的支援】の項目に関しては、「困ったときに頼ることができる親戚や友人がいますか?」と聞かれるわけですが、私たちが住む日本は困ったときは国そのものがメインとなり助けてくれますよね?
病気をしても医療費がそれほど高くなく、職を失っても手当てを貰え、最終的には生活保護が適用される。
しかし、

このランキングでは困ったときに頼ることができる“親戚や友人”がいないとランクを落としてしまうという仕組みなのです。

【寛容さ・気前の良さ】の項目に関しても、「この1か月にチャリティ活動をしましたか?」と聞かれ、

ノーだと“寛容さ・気前の良さ”がないとみなされる。

本来、日本人の寛容さと気前の良さはチャリティ活動なしで発揮されるものです。
「落ちている財布を交番に届けましたか?」や「災害時に助け合いましたか?」や「落ちているゴミを拾って捨てましたか?」などという日本人の幸せのための行動は、関係ないんですよね。
そもそも私たち日本人は、他の国では感じることが出来ない幸せも見出すことも出来る人が多いと思いますので、このランキングが報告されても特に気にしなくてもいいと考えます。

まとめ

2021年版の幸福度ランキングが発表されました。

フィンランドが4年連続の1位に対し、日本は56位でした。

日本人は幸福を感じられないのではなく、幸福度ランキングで上位を取れないだけと考えた方がいいでしょう。

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