私はまずサンマを思い浮かべます。
他に魚介類でしたら、秋鮭なんかも出てきますし、もう直ぐしたら牡蠣のシーズンですよね。
果物でしたら、梨とか栗とか柿とか挙げるのにキリがないぐらい色んなものが旬を迎える秋です。
そんな中で、ちょっと別格でいて、しかしながら、秋をイメージするものがありますよね。
そう松茸です。
今日は松茸の魅力と高級品となった背景をお伝えしたいと思います。
松茸の基礎知識
松茸と言っても「高級品」「キノコ」「外国産が多い」ぐらいのイメージしか持たない方も多いと思います。
まずは松茸とは何かというところからお伝えしたいと思います。
生態
寄生ではなく、あくまで共生の関係にあり、松茸は生きた松から、松は松茸から養分を受け取るという関係性の元で発生している為、椎茸のように人工栽培をする事が難しいとされています。
香りの成分
松茸といえばなんと言ってもその香りですよね。
松茸の名前を冠していますが、実は多くのキノコにこのマツタケオールが含まれています。
しかしこれは、多くのキノコのあの独特なキノコ風味を決定付けるもので、松茸のあの独特の風味を決定付けるものは、むしろ桂皮酸メチルと呼ばれるものです。
あれは、主に合成したこの桂皮酸メチルとマツタケオールの香りで、そこに旨味成分も入っていますが、松茸は一切入っていません。
収穫時期
松茸の収穫時期は、地域により異なりますが、
秋の味覚の王様ですね。
松茸が減少してるって本当?
よくこんな噂を耳にします。
本当でしょうか?
上の生態でも触れましたが、アカマツと共生しているのが松茸で、現在人工栽培による収穫は無く、自然に発生したものを収穫しています。
ですが、戦後の経済成長で薪を使用する機会が減ってきました。
その影響でアカマツ林を管理することもなくなり、林自体の減少に加え、現存するアカマツ林も放置され落ち葉が地面を埋め尽くすと、そこは栄養分が豊富となります。
松茸とアカマツは相互共生の関係にありますが、
さらにその養分を求めた他のキノコが入ってくる事で、松茸は姿を消すという事になります。
国産松茸と外国産松茸の違い
国産の松茸が姿を消す中、代わりに多く見られるようになったのが、外国産の松茸です。
松茸の輸入先
松茸の輸入先の国はとても多いです。
アジア圏の松茸の輸入はかなり多く、
北米からも近年輸入が拡大していますね。
北欧産はブランドイメージも強く、さらにはDNA解析の結果、日本産と近いレベルのものだと分かり、注目が高まっています。
他にも様々な国から松茸を輸入しているのです。
外国産松茸の特徴
“外国産の松茸”と同じ松茸と呼んでいるものですが、食べ比べたら全然違いますよね。
まず国産松茸の魅力って、やはりあの独特の強い香りですよね。
何故外国産の松茸って香りがあまりないのでしょうか?
これは輸入の際に仕方のない事でもあります。
まずは輸送に時間がかかるのが原因の一つでしょう。
そしてもう一つの原因が検疫です。
検疫の際、土がついていると輸入出来ないよう定められているので、しっかりと土を落とすために洗浄しています。
松茸だけではなく、他の国産きのこでも、よく「洗うと香りが落ちるから洗うな」と耳にする事があるように、やはり土を落とすために洗浄する事で大分と香りが落ちるのでしょう。
海外ではウケないこの独特の匂いが日本ではとても需要があるので、各国輸出しているのですが、こういった理由で香りを殺してしまっています。
どれだけ輸入松茸が増えても、国産松茸の価値が下がらないのはこういった原因による香りの違いがあるんですね。
まとめ
時代の流れと共に松茸の価値がとても高くなってきました。
私の幼少期と比べても、さらにその傾向は強くなってきているのでは無いかなと思います。
今ではもったい無くて考えられませんよね。
私が生まれるよりもっと昔は、もしかすると松茸ご飯も今の感覚とは違って、貴重な米のかさ増しぐらいに松茸が使われていたのかもしれませんね。
ですが、
同じ値段で、松茸と和牛どっちが本当に美味しいと思っているかと聞かれたら、間違いなく和牛を取ってしまいます。
ただ単に人間の心理が松茸を美味しくしているのかもしれませんね。
そのうち珍味とか言われるかもしれない寂しさがあります。
そんな松茸のお話しでした。