人間も、男は女の為に存在する。
子孫を残す上でそういう仕組みとなっている事は、男にとっては悲しいけど、事実です。
前回の記事では、オスを必要としない生き物を紹介させて頂きました。
今回は、性転換する事で、今を生き抜いている生き物を紹介したいと思います。
オスとメス、男と女
これまでの「オスとメスの話」でも、生物が多様な環境を生きて行く上で効率よく繁殖を行う為に、オスとメスが存在する事をお伝えしました。
しかし、オスはメスにとって都合のいいように出来ているという事、さらにはメスだけで子孫を残せる生き物がいる事もお伝えしてきました。
そこから、オスはやはりメスの為だけに存在しているという事も分かりました。
ふと思いませんか?
トランスジェンダーと呼ばれる方達がいますので一概にそうと言えない部分もありますが、
ここで一度、人間以外の生き物に焦点を変えると、人間以外の生き物は性に対してそこまで意識して気にしているとは思えません。
要するに、子孫を残せるのであればオスであろうが、メスであろうが問題がないのです。
中には子孫を残す為に性転換という戦略を取る生き物もいます。
では、性転換する生き物を見てみましょう。
性転換する生き物
まず性転換とは、生物個体の性別が生涯の間で変化することを言い、オスからメス、メスからオス、さらには環境によって選択をするケースがあります。
魚類を中心に少し例を挙げてみましょう。
オスからメスへ性転換する生き物
ディズニー映画【ファインディング・ニモ】でも有名なクマノミ類は生まれた個体は全てオスなのです。
クマノミ類はイソギンチャクに共生していますが、
毒のあるイソギンチャクの中で自らの身を守りながら生きるクマノミは、子孫を残す相手を探しに行く事がない為、こういった戦略を取りました。
他にも、甘エビという名で知られるホッコクアカエビも生まれたばかり個体は全てオスで、後にメスへ性転換が行われます。
メスからオスへ性転換する生き物
ベラの仲間はメスからオスへ性転換します。
コブダイや、以前「生き物」のカテゴリーで紹介したメガネモチノウオもこの仲間です。
そちらでも少し紹介していますので、よろしければそちらもご参照下さい。
このベラの仲間は、
この時に、オスになった個体はメスと区別出来るような見た目になる事も特徴的です。
オスとメス両方向へ性転換する生き物
ダルマハゼやオキナワベニハゼは、
まず小さい内は全てメスです。
成長し、オスへと性転換し子孫を残す為にペアを探すのですが、オスとオスがペアとなった場合、大きい方の個体がもう一度メスへと性転換出来るのです。
環境により性転換する生き物
ワニの中でも数種類のワニは、厳密には性転換と少し違うのかもしれませんが、環境によりオスとメスに変化するのです。
一方、カメの中でもこういった性の決定を取る種類もいますが、カメの場合はワニとは逆に、高温でメス、低温でオスとなります。
植物の性転換
植物にも性転換を行うものがいます。
サトイモ科のテンナンショウは、球茎が小さく、栄養が少ないうちは雄花を咲かせます。
雌として繁殖の為にエネルギーを消費し、球茎が小さくなると、再び雄花を咲かせます。
両方向の性転換が行なわれているという事になります。
人間の性転換
人間にも時に「性転換」という言葉が使われる場合がありますよね。
正式には「性別適合手術」と呼ばれるものです。
人間は性転換する動物のように自らの力で性別を変えることは出来ませんが、
それは子孫を残す戦略として性転換をします。
人間も、今の医学の技術的に性転換後に子孫を残すことは可能という見解もあります。
技術的には男性が妊娠する事も可能のようです。
まとめ
性転換する生き物がいます。
人間も必要とあらば、同じような事も可能です。
人間の場合は、そこに倫理的な問題も絡んできます。
区別が差別に発展し、男性と女性で性に対して問題になる昨今。
本当の男女平等を目指すのであれば、男女の区別を完全に無くして、男性も妊娠出来るようにしてもいいのではないかなと思います。
そこに倫理の問題を突きつけるのであれば、
人間の問題は複雑です。
男女平等が何故難しいのか、人間は何の為に生まれて何の為に生きるのか、そこに明確なものがないからだと思いました。
他にもオスとメスに関する記事を執筆しておりますので、そちらもよろしければ見ていただけると幸いです。