私達は日常生活を送る上で感情というものに支配されています。
この感情がある事で、物事を分かりやすくする一方で、
そんな感情と呼ばれるものには、多くの種類があります。
中でも、喜んでいる様子や、楽しい様子、愛おしいといった感情に困る事はありませんが、怒っている様子や、悲しんでいる様子を目の当たりにしたり、自分が感じたりすると困ってしまう事もあります。
そんな時は、一度その感情の“特性”とその“機能”を知る必要があります。
怒り、不安、不機嫌、悲しみ、悔しさ、寂しさといった扱い方を間違えると厄介な感情を計6回に分けてお伝えします。
今回は「悔しさ」について考えてみたいと思います。
本来の「悔しさ」が持つ役割
悔しさとは、自分の尊厳を傷つけられた時に沸き起こる感情の事を指します。
「もしかしたら、こうだったかもしれない」と思ったり、自分が辱められたと感じた時に「悔しさ」という感情が顔を出します。
実際に自分自身が周囲も感じるぐらい辱められた場合は「怒り」が出てきますが、自分だけが辱められたと感じているから「悔しさ」が出てきます。
どうしても欲しいものを懸賞で応募して外れた場合なんかも悔しい思いをしますが、どう考えても解決する手段がありません。
また、友人に恋人が出来たりした時も、素直に喜べずに悔しい思いをする方もいると思います。
しかし、こちらもどう考えても解決する事が出来ません。
これらが例えば、「運営側に不正があり懸賞に外れた」であったり、「お付き合いしている恋人を友人に取られた」のような場合であるならば、「怒り」として「怒り」を解決させていく事が可能です。
悔しさは、自尊心が関わっているだけに、悔しい思いをしてしまった時は別のベクトルで解決させないといけない、とてもナイーブな感情なのです。
比較や仕返しから生まれる「悔しさ」に傷つく
悔しさは自尊心が傷つく事に大きく関係しています。
自尊心が傷つく状況は、
例えば、長期休暇が明けて職場に行くと、多くのお土産が並んでいますよね。
自分が国内のお土産を持って出社したが、周りが海外のお土産ばかりだった場合に、悔しい思いをしますよね。
ここで、一度考えて欲しいのですが、あなたは海外旅行に行きたかったのかどうか。
海外旅行のお土産を持って出社したかったのかどうか。
ここで悔しいと思い自分自身の尊厳を傷つけているのは、紛れもなくあなたの無駄な比較です。
また、多くの人の前で辱められた場合、悔しくて何とか仕返したいという気持ちが出てくる事がありますよね。
相手に悪意があっての事なら、仕返しする事で楽になるでしょうが、相手に悪意がある場合、悔しいという感情よりもまず怒りの感情となるで、その場合はまた違う手段で解決出来ると言えます。
しかし、悔しさは仕返しする事で何も解決しません。
例えば同じように多くの人の前でその人に仕返しをし辱めを与えたとしましょう。
またあなたが悔しい思いをするだけです。
何の解決にもならない仕返しはやめましょう。
仕返しもまた、あなたの尊厳を傷つけるだけの行為になってしまいます。
「悔しさ」の扱い方
悔しさは自尊心を傷つけられた時に感じます。
しかし、人間の体はとても便利に出来ています。
「悔しさをバネに頑張る!」という話を良く耳にしますよね?
悔しさを抱えた場合に大切となってくる部分なのですが、ここに悔しさの扱いの難しさがあります。
悔しさをバネに頑張ってどうしたいのかが重要です。
例えばあなたが仲のいい友人と同じ高校を目指し受験したとしましょう。
そして、友人は第一志望に合格し、あなたは滑り止めで受けた高校に通うようになりました。
とても悔しいですよね?
その悔しさをバネにその友人よりいい大学に入ろうと努力する事は間違ってはいません。
しかし、それって上述した比較や仕返しと何も変わりません。
あなたの人生の目標はその友人よりいい大学に入る事ですか?
違いますよね。
どんな事にも言えますが、悔しい思いをしたからといって、人生観や価値観まで変える必要はありません。
一時は悔しい思いはしますが、「私はこれに向かっている途中なのだから、今はこれで良い!」と思えるかどうかが悔しさを扱えるかどうかだと思います。
まとめ
生きていると、何かと比較したくなります。
尊厳を傷つけられて、仕返ししたいと思う感情を持つ事、それを「悔しさ」と呼びます。
悔しいと思っても、実際にはどうこう出来る事ではなく、本来の自分を見失わないようにする事が大事です。
「悔しい!」と思ったら、まずは自分の向かっている先を思い出して下さい。
そして「今はこれでいい!」と自尊心を癒してあげて下さい。