私達は日常生活を送る上で感情というものに支配されています。
この感情がある事で、物事を分かりやすくする一方で、
そんな感情と呼ばれるものには、多くの種類があります。
中でも、喜んでいる様子や、楽しい様子、愛おしいといった感情に困る事はありませんが、怒っている様子や、悲しんでいる様子を目の当たりにしたり、自分が感じたりすると困ってしまう事もあります。
そんな時は、一度その感情の“特性”とその“機能”を知る必要があります。
怒り、不安、不機嫌、悲しみ、悔しさ、寂しさといった扱い方を間違えると厄介な感情を計6回に分けてお伝えします。
今回は「悲しみ」について考えてみたいと思います。
本来の「悲しみ」が持つ役割
悲しみとは、何かを失った時に沸き起こる感情の事を指します。
人だけでは無く、物であったとしても、特別な何かを失う事で「悲しみ」という感情が顔を出します。
悲しみは、周囲にとっても分かりやすい感情で、悲しみを感じると気持ちが塞ぎがちになってしまう傾向にあり、ポジティブな印象のある場所に出たくないと感じます。
大切な誰かを亡くした時や別れ話をされた時、まず信じられないという気持ちが大きくなります。
そこから真実を目の当たりにし、様々な感情が顔を出します。
心の中で失った事に関する過去を再構築し、それを受け入れられる時に、また現実を一歩ずつ歩む事が出来るようになります。
私自身、大切な人を亡くした時、このプロセスの大切さを知りました。
悲しみを抑え、一人の大人として、毅然とした振る舞いをしなければいけないと思い、悲しみのプロセスの一部を落とすと、その事象を受け入れるまでに相当な時間がかかりました。
「悲しみ」は、まず真実の否定から始まり、過去から今までの心の整理を行い、それらを受け入れて今を生きるという順序が大切になってきます。
老若男女分け隔てなく、悲しい時は悲しまなければいけません。
「悲しみ」が強すぎる場合の対処方
悲しみがなかなか拭えない時、悲しみのプロセスが上手く機能していない時は、一向に悲しみが消えてくれません。
真実を受け入れる事で、
ただ上述しましたように、悲しみにはプロセスがとても重要となります。
このプロセスを否定してしまうと、それこそ自分が自分ではなくなる可能性が出てきます。
もし、悲しみが強いと感じたら、まずは気の許せる、悲しみに向き合ってくれる人に相談してみて下さい。
必要ならカウンセリングを受ける事も、今を生きる一歩を踏み出す上では重要となります。
「悲しみ」は癒えるということ
悲しみは、よく忘れる事で解決するように言われます。
しかし、完全に悲しみをゼロにする事は出来ません。
その出来事を思い出すと、
悲しみにはそういった特性があるので、忘れようとしてはいけません。
悲しみの火が大きくなっては小さくを繰り返していくうちに、少しずつ火力が弱くなっていきます。
いつしか種火だけが燃え続けている状態になり、それこそ「心に生き続ける」という状態になります。
そして、それこそが悲しみが癒えたという状態になります。
「悲しみ」の扱い方
悲しみは何かを失った時に感じるものです。
それが他人である場合、無理に励まさなくても構いません。
そのプロセスのどの段階にいるかは、本人しか分からない事なので、無理に励ますのではなく、話を聞いてあげる事が大切です。
無理に励まそうとすることで、一緒に落ち込んでしまう場合もあります。
また、自分が悲しみを感じている場合は、悲しみのプロセスを着実に進めていきましょう。
この時、出来るだけ悲しみの火種に自分から薪をくべるような行為は控えましょう。
また、悲しみは他人になかなか理解はしてもらえません。
火種に油を注いでくるような人も存在します。
どんな時でも、悲しみのプロセスを進める事を考え、自分のペースで心の整理をするようにしましょう。
言ってはいけない言葉
もし悲しんでいる方を目の前にした場合、
何度も言いますが、悲しみは受け入れるまでのプロセスが重要です。
中途半端に励ますと、
また、無理に励まされている事に気を使い、心の整理がまだついていない状況で無理に受け入れないといけない感覚に陥ってしまいます。
「頑張れ!」や「大丈夫!」という無責任な言葉は控え、話を聞いてあげるだけにしましょう。
まとめ
生きていると必ず出会う悲しみという感情。
特別な何かを失う事で抱く感情で、それを「悲しみ」と呼びます。
悲しみはゼロには出来ませんが、癒す事は出来ます。
無理はせず、悲しみのプロセスを一歩ずつ歩んでいき、受け入れる事が出来たら、しっかりと今を生きましょう!