ここまで「色の持つ重要性」と、「色と日本の食文化」から日本人の色に対する考え方をお伝えしてきました。
今回は、そういった色を日常的に取り入れ、企業の方はその仕事に役立つように、個人の方は普段のセンスが上がるように、色の役割や機能等の基礎知識をお伝えしたいと思います。
色の指定
色を扱う場合とても重要になってきますのが、色をどう指定するかという事です。
普段私たちは日常生活で、色を指定する場合、「赤」や「青」等の「色名」と呼ばれるものを使用して色を指定しますよね。
例えば、「ここ青に塗って下さい」という風に。
しかし、この色名は全ての人が共通の色と認識しているわけではありません。
ある人が、青で指定しても、それを受け取った側は緑で表現してしうかもしれないのです。
こういった個人間の色の認識を取り除き、
代表的なものに、「RGB値」「CMYK値」「PANTONE」「DIC」といったものがあります。
よく使われる、「RGB値」「CMYK値」を中心にこの4つを解説します。
RGB値
RGB値とは、
全てを混ぜれば白になり、「加法混色」と呼ばれています。
PCのモニターやデジカメ等はこれで表現されています。
CMYK値
CMYK値とは、
全てを混ぜれば濁ったグレーになるので、「滅法混色」と呼ばれています。
理論上は全てを混ぜて黒になるのですが、印刷した時に濁ったグレーにしかならない為、「K(ブラック)」を加え表現されます。
プリンターのインクがこれで表記されていますよね?
印刷に向いた表現となります。
PANTONE
アメリカの企業で、様々な業種向けに色見本を展開している表現で、アートディレクターやデザイナーが好んで使っています。
DIC
グラフィック等をはじめとした様々な分野で使用されていて、指定した色を印刷によって再現する場合に非常に便利となります。
色の属性
色にはその色を表す為の「ものさし」が3つあります。
それぞれ「色相」「明度」「彩度」と呼ばれており、
これを「色の三属性」と言います。
有名なものに下の画像のマンセルシステムの色相環という表色系があり、日本では「三属性による色の表示方法」として規格化されています。
三属性がそれぞれどういったものか順に解説します。
色相
色合いや色味の違いの事で、
表色系を使う場合は、決められた数字や記号で表します。
有彩色と無彩色
色には「色があるもの」と「色がないもの」に分けられます。
実際には全て「色」ではありますが、
逆に少しでも色相があるものを「有彩色」と言います。
上のマンセルシステムの色相環を見てもらえれば分かると思いますが、そこに白から黒にかけてはありませんよね?
明度
その色の持つ明るさを表すのに明度を使います。
有彩色にも無彩色にもこの明度は適用されます。
同じ色相でも、
彩度
色味の「強さ」、鮮やかさの「度合い」を表すもの。
同じ色相でも、
色相のない無彩色にはこの彩度は適用されず、無彩色は彩度が0となります。
日常生活での色の知識
色の基本的な知識をお伝えしてきました。
日常生活で、表色系ってなかなか使う事はないとは思います。
お洋服を買いに行って、
日常生活ではやはり色名でやり取りをしますが、色の三属性を知っているだけでも、お洋服やインテリアを購入する場合、お店の人に希望の色を伝えることが出来ます。
頭で思い描いたイメージのワンピースを探している時も、色味を決めたら、明るさと鮮やかさを伝えるだけで、ショップ定員も的確な商品を探してくれます。
「もう少しフェミニンな色で」と言っても、頑張って探してはくれますが、
仕事で色を扱う為の知識
企業の方はこの表色系を知っているか知っていないかで全然変わってきます。
仕事柄、様々なデザインに携わってきましたが、「もう少し高級感のある赤で」とか「青をブルーって感じの青で」とか良く言われてきましたが、
私の感じる色と相手の感じている色は全然違いますので。
逆に、色をCMYK値で指定してくれる企業もいました。
すごくスムーズに仕事が進みました。
そこまでとは言えませんが、
まとめ
他にも色に関する記事を執筆しておりますので、そちらもよろしければ見ていただけると幸いです。