日本で多くの人に支持されている「無印良品」というブランド。
私も質と価格設定が適切で愛用しているものが多くあります。
そんな無印良品が、
中国といえば、これまでも様々なパクリ問題が浮き彫りとなっていますが、今回はこの無印良品の問題から見えてくる中国の商標ビジネスをお伝えします。
無印良品の中国進出
「無印良品」は当時の親会社である西友が1980年に創ったプライベートブランドで、後に西友の100%子会社として株式会社良品計画が設立され、以降「無印良品」や「MUJI」といった形でブランド展開し、店舗を増やしてきました。
今回問題となった中国へは、2005年に進出を果たしました。
中国での訴訟問題
無印良品といえば、シンプルなデザインが多いですよね。
中国の方にもそのデザイン性の高さと質が支持されるようになりましたが、中国で無印良品に似た店舗が出店し、さらには本家の「無印良品」を商標権の侵害で訴えるという事態に発展、
今回の問題に関わる部分を掻い摘んで紹介しましょう。
タオルや寝具など織物(24類)の商標
現在中国で、
この「ほぼ全て」という部分が問題となっていて、現在報道にて取り上げられている国際分類の24類に当たるタオルや寝具などの織物は、
中国以外の国では問題なく、この24類で「無印良品」の商標を使う事が出来ています。
良品計画は中国で、この24類で「無印良品」の商標を取り戻すべく長年争っていた中での今回の出来事となります。
本家の無印良品が、商標を持っていない商品を販売する事は問題となるでしょうが、無印良品のパクリである「無印良品 Natural Mill」が、本家の無印良品を訴えている事が想像し難い部分ですね。
中国の商標ビジネス
中国では以前に、iPadでもとんでもない問題が起こりました。
アップル社がiPadを中国で展開させようと考えた時、
アップル社は、iPadを中国で販売する為に、商標権を持っていた中国の企業に6,000万ドル(日本円で約48億円)を支払い、商標権を買いました。
同じように日本でも、一時話題になったのが、東京スカイツリーの中国での商標権ではないでしょうか。
東京スカイツリーの中国語名称を当初は「東京天空樹」としていました。
しかし、この名称が中国で先に商標登録されていた事で、やむなく「東京晴空塔」という名称に変更したのです。
そうした場合、「東京天空樹」という名称を登録した方は、その持て余した「東京天空樹」をどうするのか、不思議ですね。
この様に、中国では先に商標を登録しておいて、後で商標権をめぐる問題に発展させる“商標ビジネス”が一般的になっているのです。
日本と中国の商標権に対する温度差
ここには、考え方の違いがあります。
日本ではまず、会社を立ち上げ、商品が出来上がる見込みがついた時にようやく商標登録をするのですが、
日本人の発想で、努力して質の良いものが出来れば、例え類似品が増えても、いつか評価され、それが本物だと認知されるという考えが少なからずありますが、世界はそんなに甘くありません。
まず、
私達日本人は、それを「取らぬ狸の皮算用」と言って罵られ、まずその前にガムシャラに努力すると、結果は必ず付いてくる。
そういった事を美学のように持っていましたが、世界ではまずは狸を取る前に皮をどう使うか考えないといけないのです。
まとめ
今回の無印良品の問題は、中国の方もアホでは無いので、
ただ、商標権に対しての意識の違いが浮き彫りとなっただけと言えるでしょう。
それにしても中国って凄いなと思います。
パクリ商品を売って訴えられても、自分のものがオリジナルと言い張り、ゾンビの様にパクリ商品が増えていき、多くの企業が泣き寝入りしている部分も多くあります。
しかし、
国民性と言うべきか、これからの社会を生き抜く術を知っていると言わざるを得ませんね。
私達日本人も日本人らしい美学を捨て、泥臭く生きていかないといけないところまで来たのでしょうか。
追記(2019年7月9日)
パクリ商品、商標権絡みのニュースでは中国がいつも悪者として扱われていますが、
まずはこちらの画像を見て下さい。
まだ、記憶に新しいティラミスヒーロー問題ですね。
シンガポールの有名店で、日本では仕方なく“ティラミススター”という名前でティラミスを販売するみたいです。
神戸マルイに期間限定で出店しており、初めて食べてみました。
美味しかったですよ!