大阪都構想の是非が最大の争点となった大阪府知事と大阪市長を決めるダブル選挙が2019年4月7日に行われた。
7日の夜開票早々に当選確実の速報により、
この維新勝利から見えてきたこれからの大阪都構想の行方を考えてみましょう。
大阪都構想とは?
まずは大阪都構想とは何なのかを、簡単にまとめてみます。
大阪都構想とは2010年に維新の会を立ち上げた橋下徹氏が打ち出した行政改革の一つです。
現在、広域行政を担当している府と市、そのトップである府知事と市長、これを都にする事で都知事一人がトップとなり、二重行政を無くし、税金の無駄遣いを解消しようという考えです。
東京都は23の特別区に分けていますが、
二重行政が解消される事で、大きな事業が円滑に進む事や、区長が予算編成出来るといったメリットがある一方で、初期費用に莫大や予算がかかる事、また区による収入の格差が出来るというデメリットもあります。
大阪ダブル選の概要
前府知事である松井一郎氏と前市長である吉村洋文が辞職し、それぞれ市長選と府知事選に立候補するというクロス選挙が行われた今回の選挙ですが、
維新の会と公明党は、ともに協力し都構想実現へ向けて協議を進めてきました。
しかし、いざ都構想の住民投票が現実味を帯びてきた法定協議会で、
この公明党の裏切りに対し、松井一郎氏は「死んでも死にきれん!」と怒りを露わにし、公明党と決裂し、出直し選挙を行う事に。
是が非でも都構想を実現したい、松井、吉村の両氏は残された任期を延ばす為、クロス選挙という選択を取りました。
しかも今回、
政界を引退した橋本徹がいない都構想へ向けての維新の会による民意を問うた選挙が今回の大阪ダブル選挙の概要となります。
勝利の決め手となったものは?
今回の選挙で勝利を掴んだ維新の会、
まずは、都構想に向けて理解を得たい大阪市での演説に多くの時間を割いた松井氏と吉村氏。
維新政治7年の中での実績が住民に分かりやすかったといってもいいでしょう。
では、プラス要素だけで勝利を掴んだかというと、私はそうは思いません。
東京の自民党本部、すなわち中央から地方への応援があまりなく、中央では争いを避けて争わない方向になっただけという見方も出来ます。
選挙から一夜明けると安倍首相も維新が勝ったことに喜びを匂わせる発言もあるように、
さらには、
要するに民意がそのまま反映された形となったのが、勝利の決めてではないでしょうか。
大阪都構想の行方
この先の大阪都構想がどうなるのか、少し考えてみましょう。
当確の喜びよりもプレッシャーと、松井新市長も仰っているように、目標は都構想を実現させる事ですよね。
いずれは道州制に…、なんていう話題もありますが、そこには憲法改正の必要性もありますので、まずは都構想。
それに向けて、今回の維新勝利で問題点が何もないかと言うとそうではありません。
問題となる部分は、
市議会での丁寧な話し合いがこれから必要になってきますし、決裂した公明党や他の党との関係も考えないといけません。
これから先、住民投票に至るまでに様々な壁はありますが、期待して見守っていきましょう。
公明党と全面対決!?
こんな話題も上がっていますよね。
これまで協力関係にあった公明党に対し、衆院選で同じ区から維新で候補者を立てて対立するという見方も。
どう進んでいくのか分かりませんが、公明党の協力が見られなければ、そういう流れも考えられます。
公明党が壊滅に向かうのか、民意にしっかりと耳を傾けられる公明党になれるのか。
今までの様に誤魔化して裏切る様な政党ではなく、党としてしっかりとした考えを示して欲しいところです。
まとめ
大阪ダブル選挙で維新が勝利しました。
「既得権益を守る為だけに戦ってるんちゃうん?」と対立の候補者を冷静に見る事が出来た大阪府民が誇らしくもあります。
都構想に莫大な資金が必要になるとは思います。
しかし、
これから、G20サミット、参院選、衆院選と年内に続き、IRの開業や2025年の大阪万博に向けても考えないといけません。
都構想の住民投票がいつになるのかは、まだ分かりませんが、出来るだけ多くの住民が理解出来るように進めていって欲しいですね。