SNSで話題!スエズ運河座礁、列車衝突、ビル倒壊は全て“ファラオの呪い”によるものなのか?

SNSで話題!スエズ運河座礁、列車衝突、ビル倒壊は全て“ファラオの呪い”によるものなのか?

ファラオの呪いのイラスト
2021年4月3日、エジプトの首都カイロで古代ファラオのミイラによる歴史的なパレードが行われました。
エジプトでは先月、スエズ運河で大型の貨物船が座礁したほか、列車衝突事故、ビル倒壊事故と相次ぐ事故が発生し、

SNS上で「ファラオの呪いでは?」と噂が広がっています。

今回は、古代ファラオのパレードの概要と、立て続けに起きたエジプトでの事故に関する情報をお届けします。
果てして“ファラオの呪い”なのでしょうか?

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「ファラオの黄金パレード」の概要

3日土曜日の夜に、18人の王と4人の女王のミイラの計22人のファラオのミイラが見事な王家の行列を成し、エジプト・カイロのタハリール広場にあるエジプト考古学博物館から5キロ離れたフスタートの新しい国立エジプト文明博物館(NMEC)まで移送されました。
数百万ドルかけられ「ファラオの黄金パレード」と題されたパレードは、NMECの正式な開館を記念するイベントとなり、世界遺産デーである4月18日の全面オープンによって、

主要な外貨獲得手段でもある観光業の復活が期待されています。

王族の遺体で、現在国宝にもなっている22体のミイラたちは厳しい警備に守られながら、ファンファーレが鳴り響く中、紀元前16世紀の古代エジプト第17王朝セケンエンラー・タア2世から、紀元前12世紀の第20王朝ラムセス9世まで時代順に移送されました。
それぞれの名前をアラビア語、英語、ヒエログリフで冠した専用の金色のファラオの車で移送される光景は思わず魅了させられてしまう光景でした。
移送されたファラオのミイラたちは、NMECの「ミイラの間」で展示されるようで、ここでは最新技術により、ルクソールの「王家の谷」にいるような体験が出来るようなので、新型コロナウイルスが収束し、海外旅行しやすい状況になった際には是非とも行ってみたいですね!

呪いとは一切関係のない華やかなイベントですが、ではなぜSNS上で“ファラオの呪い”と噂されたのか。

その要因となった先月にエジプトで発生した3つの事故を振り返ってみましょう。

スエズ運河大型貨物船座礁事故

“ファラオの呪い”と噂された3つの事故の1つ。

スエズ運河で大型の貨物船が座礁したという事故。

3月23日午前7時40分ごろ、エジプトのスエズ運河で、中国からオランダのロッテルダムへ向かう途中のエバーギブン号が座礁しました。
現場にはサルベージ会社のエンジニアが派遣され、複数の複数のタグボートや浚渫船を使った離礁作業が長く続けられ、29日に離礁したと報告されています。
スエズ運河は全長約193kmの地中海と紅海を結ぶ運河で、アジアと欧州を最短距離でつないでおり、世界の貿易の約12%がこの運河を経由していると言われている海上貿易量が多いルートです。
エバーギブン号が座礁したことで、ほかの多くの船舶はスエズ運河経由よりもさらに2週間かかるアフリカ大陸をぐるりとまわるルートに変更せざるを得なくなりました。
損害額は1,100億円を超えると言われているこの事故、発生当時、

強風と砂嵐により視界が悪かったと報告されていますが、これが“ファラオの呪い”なのでしょうか?

エジプト列車衝突事故

続いて、“ファラオの呪い”と噂された3つの事故の1つ。
26日エジプトの首都カイロの南方約365kmタハタ近郊で、

非常ブレーキを作動させた列車に、同じ方向に向かって走行していた別の列車が後方から衝突したという事故。

多くの死傷者が出たこの事故、事故発生当初“身元が確認されていない複数の人物”が非常ブレーキを作動させたと報じられていましたが、

実は“ファラオの呪い”が関与しているのでしょうか?

エジプトの鉄道網は老朽化が著しく、人身事故が頻繁に発生しており、2002年には混雑する列車で火災が発生するという事故も起きています。

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エジプト10階建て住宅ビル倒壊事故

“ファラオの呪い”と噂された3つの事故の最後の1つ。
27日エジプトの首都カイロで、

10階建ての住宅ビルが倒壊し、多くの死傷者が出たという事故。

倒壊したビルは本来6階建てだったはずが、許可を得ずに増築されていたようで、違法建築が原因だと報じられていますが、

倒壊に至らせた力は“ファラオの呪い”が関与しているのでしょうか?

他にもカイロでは高層住宅が密集し、老朽化や違法建築に伴う建物の倒壊が頻繁に起きています。

ファラオの呪いとは?

以上3月に発生した3つの事故。
私には“ファラオの呪い”ではなく、どれも人的要因によるものだと感じますが、

そもそもエジプトでは何故こうも都市伝説に近いような“ファラオの呪い”が頻繁に噂されるのでしょうか?

話は1920年代に遡るのですが、当時エジプトでは、王家の谷でツタンカーメンの墳墓を発掘してミイラを取り出したカーナヴォン卿や発掘に関係した人物数名が、

発掘作業の直後次々と急死したとされる話題が世界中を駆け巡りました。

これだけを見ると、本当に“ファラオの呪い”ってあるのではないかと思ってしまいますが、実際のところ発掘から1年以内に急死したのはカーナヴォン卿だけで、当のカーナヴォン卿も発掘以前に蚊に刺された跡を髭剃り時に傷つけてしまったことにより感染症を発症、肺炎を併発したことが死因であるとが確認されています。
しかし、当時の新聞社は発掘に関係した人物が死亡するたびに“ファラオの呪い”と報じ、それを読んだ人が好奇心と恐怖心からいつしか呪い信仰へと発展していったというのが真相です。
今回のエジプトで発生した3つの事故も同じですね。
SNSで誰かが“ファラオの呪いか?”と発信すると、

それを見た人の好奇心と恐怖心がいつの間にか信仰の対象となっていったのではないでしょうか。

まとめ

古代ファラオのミイラによる歴史的なパレードと、3月にエジプトで発生した3つの事故の概要、そして“ファラオの呪い”に関してお伝えしました。

実際に“ファラオの呪い”なんてないとは断定出来ません。

ただ、一つだけ断言出来ることとしては、人的要因で起きた事故をファラオのせいにして納得してしまう感覚が一番怖く、そんなエジプトでは新しい国立エジプト文明博物館へ軽い気持ちで行けませんよね。

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