連日ウクライナに軍事侵攻したロシアの話題が続いています。
まだこの時代にも“戦争”という脅威があったんだと、身が締め上がる思いがすると同時に、平和とは何か考えさせられる毎日になりました。
さらには“核”という言葉を聞くと、「いやそんな過ちはもう二度と起きないだろう」と楽観的に見てしまう部分と、もしプーチン大統領が暴挙に出たら世界はどうなってしまうのだろうかという恐怖の部分が交錯し、戦々恐々とした社会情勢に唖然としてしまいます。
ここで一つ、原点に戻り、この戦争の原因について考え、核兵器を使用したらどうなるのかについて解説したいと思います。
ウクライナへのロシア軍事侵攻の原因は?
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は当初、ウクライナを攻撃して侵攻するつもりはないと繰り返していました。
しかし、ついに停戦協定を破棄しウクライナ侵攻を一斉に開始しました。
何故ロシアはウクライナへ軍事侵攻しているのか大きく3つの要因を挙げたいと思います。
ウクライナのNATO加盟への不満
話は遡ること30年前、ロシアもウクライナも1つのソビエト連邦という国でした。
1991年にソビエト連邦が崩壊し、15の独立国ができました。
この独立国のうちのいくつかの国が、旧ソビエトへの脅威に対抗するためのNATO(北大西洋条約機構)という軍事同盟に加盟していき、ウクライナもNATOへの加盟に意欲を見せていました。
ウクライナがその軍事同盟に加盟してしまっては、配備するミサイルがロシアを向くことになるので、これにプーチン大統領が警戒を示したことが今回の軍事侵攻の始まりの一つと言えます。
ウクライナとの国境線への不満
二つ目の要因として国境線が挙げられます。
現在のロシアとウクライナの国境線は、ソビエト連邦崩壊後に二国間で決められたものですが、プーチン大統領は、同盟国であることを条件に国境線を決めたもので、NATOに加盟するなら本来のロシアの土地である、ウクライナの東部と南部を返すように主張しています。
ウクライナへの執着
三つ目の要因はさらに歴史を遡り9世紀の話になります。
今のロシアとウクライナ、さらには隣国ベラルーシの地域で、東スラブの人々が「キエフ・ルーシ」という国家を形成しました。
その後13世紀にモンゴル帝国に崩壊させられモスクワが発展していくのですが、言わばウクライナの首都キエフはロシアのルーツでもある地。
ロシアにとってウクライナは兄弟だと思っているプーチン大統領。
そのウクライナが敵対するNATOに加盟するとなっては、身の裂けるような思いなのでしょう。
二つ目と三つ目の要因に関しては、プーチン大統領の主張自体がお門違いな部分が多くあり、これにより軍事侵攻することは単純に国際法に違反することになります。
そこまでして止めれなかったウクライナへの軍事侵攻。
相当ウクライナのNATO加盟が気に入らなかったということですね。
これからも何かに理由をつけて攻撃してくるとは思います。
さらにプーチン大統領は核のボタンに手をかけていることを示唆する声明まで出してきました。
核のボタンが押されることがあってはいけません。
早急に平和的な解決がなされることを願います。
核兵器を使用したらどうなるのか
実際に核兵器を使用したらどうなるのかについて知ることが出来ると、「プーチンが核のボタンを押すかもしれない」というニュースに「ふ〜ん」では済まされないと気付くことが出来るでしょう。
まずはこちらの動画を見てください。
この動画は、赤十字国際委員会(ICRC)が作成した動画で、“もし核爆弾が大都市に落ちたらどうなるか”を示しています。
この動画の、「ちょっと仕事に行こうとした次の瞬間、あなたは燃えている」というセリフ。
絵はポップなのに、全く笑えないセリフですよね。
この動画は、以下の3つの段階で核兵器を使用したらどうなるのかが描かれています。
- 破壊的な火の玉と閃光
- 強力な衝撃波
- 生じる損傷と放射線被曝
それぞれピックアップして見てみましょう。
破壊的な火の玉と閃光
核兵器が大都市に落ちた場合、まず爆発のその瞬間に太陽よりも熱い巨大な火の玉が空に広がります。
その方向を見ている人が一時的に目が見えなくなるほどの明るい光が放たれ、その火の玉の中にいる人は一瞬にして“蒸発”してしまいます。
動画にある「熱々のフライパンに水を入れるよう」という表現がとても分かりやすいですね。
ICRCによると、爆発から500平方キロメートル以内にあるものはすべて発火する可能性があると推定しており、これは爆心地から半径12〜13キロメートルに相当します。
もしスカイツリーに核兵器が落ちたら東京ディズニーランドが燃えてしまう距離です。
強力な衝撃波
次に衝撃波が数秒後にやってきます。
この衝撃波は、ICRCによるとハリケーンや竜巻より激しい風を発生させ、樹木を爪楊枝のように折り、人間を砂ぼこりのように舞い上がらせる可能性があると、動画内で伝えられています。
175平方キロメートル以内の家屋は簡単に崩壊させられる威力で、これはスカイツリーに核兵器が落ちた場合、皇居が跡形もなく崩壊するということになります。
そしてその数分後には、放射性の塵と灰でできたキノコ雲が空を暗くし、周囲の空気を吸い込み、さらにより多くの風を発生させ、インフラを破壊、火災を広げる可能性が示唆されています。
生じる損傷と放射線被曝
次の段階で、上記二つによる影響が訪れます。
ICRCによると、核兵器が爆発した後、数時間から数日の間上記の範囲内では、ほとんどの支援が届かないと予想しています。
電力が失われ、コミュニケーションがほとんど不可能になるからです。
万が一上記の範囲で生き延びたとしても、耳や目に傷を負い、重度の火傷を負った状態で、誰の助けも借りることなく瓦礫の中を歩いていくしかありません。
さらには、“音のない恐怖”と呼ばれる放射性物質の塵が降ってくると、人々は放射線中毒になり、体の細胞に損傷を与え、死に至らしめる可能性があります。
長期的には、粉塵を吸い込んだだけの人でもがんを発症する可能性があります。
核爆発の前にできること
上記のように爆心地で誰の助けもない状態に陥らないようにする方法が一つだけ存在します
レンガやコンクリートの建物の中で窓から離れて身を隠すこと。
それも大事ですが、もっと簡単に核兵器から身を守るためには、地球上から核兵器をなくすことです。
まとめ
ロシアのウクライナへの軍事侵攻。
これまで、あるかもしれないと思いつつも、そんなことはないと思っていました。
その考えが破られたということは、「核兵器は流石に使用しないだろう」という考えも捨てなければなりません。
そもそも大量に人を破壊する兵器が存在することにまず疑問を持たなければいけないと思います。