素晴らしき潜水能力と排泄物!マッコウクジラ

素晴らしき潜水能力と排泄物!マッコウクジラ

マッコウクジラのイラスト

皆様クジラはお好きですか?

クジラは大きく分けてハクジラとヒゲクジラに別けられます。
今回ご紹介するのは、そのハクジラの中でも最も大きく、歯のある動物の中でも最も大きいマッコウクジラをご紹介しましょう。

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マッコウクジラの基本情報

大きさ:オスで体長16〜20m体重50t・メスで体長12〜14m体重25t
寿命:60〜70年
生息地:北極から南極まで広く分布

マッコウクジラの生態・特徴

大きな頭

マッコウクジラを思い描いた時、間違いなく多くの方が捉えるであろう特徴として、大きな頭を思い描くでしょう。
この頭、クジラの中でも特に大きくオスの個体で体長の三分の一を占めるほど。
脳の重さは、

全動物の中で最も重いと言われていますが、その体の大きさに比べるとそこまで大きいというわけではありません。

大きな歯

“ハクジラ”と言うだけあって、歯があるのですが、

下顎にしか歯はなく、上顎に歯はありません。

後述しますが、その食性から歯があると想像する事が出来ますが、冒頭でお伝えしましたように歯がある動物で最も大きく、餌となる生き物を丸呑みしていると考えられており、何故このような歯が備えられているかは分かっていません。

天敵と群れの行動

オスは成熟すると高緯度の寒流域にも進出していきますが、メスと子どもたちは暖流域を出ることはほとんどありません。
生まれてすぐの深く潜水が出来ない子クジラに母クジラが潜水を教えるという社会が形成されています。
自然界ではシャチが天敵で、襲われることが多いのですが、メスや子どもがシャチに襲われているとオスが助けに来るケースもあります。
シャチだけでなく捕鯨船から群を守るために、

捕鯨船を攻撃して沈めたという例もあるぐらい、家族や群を守る姿勢がカッコいい生き物です。

この辺りの社会性が私たち人間にもとても共感を得る部分で、反捕鯨の一因となっているのでしょう。

何を食べているの?

よくマッコウクジラにダイオウイカが巻きついているイラストなんかを見る機会も多いです。
その通りで、魚を食べる事もありますが、

主な餌はイカ類です。

ダイオウイカを食べる時は、ダイオウイカの吸盤によって体に傷がつくこともしばしば。

野生では飯を食うのって本当に大変…。

さて、

この巨体でイカをどれぐらい食べているか想像できますか?

なんと、8千万トンから2億トンと言われており、世界のイカの漁獲量の30倍から66倍と言われています。
こう言われると、むしろこの数を供給出来るイカの生態の方が気になってきますよね。

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マッコウクジラの潜水能力

マッコウクジラの大きな能力の一つにその潜水能力も挙げられます。
水中に潜る多くの哺乳類の特徴でもありますが、

全身の筋肉に大量のミオグロビンと呼ばれるタンパク質を保有しており、ここに酸素を貯蔵出来る事で、肺を空にしても長時間潜水している事が出来るのです。

これにより、マッコウクジラは軽く2,000mは潜る事が出来、これはその他のクジラと比較しても群を抜いた能力と言えます。
ちなみに動物の筋肉が赤いのはこのミオグロビンというタンパク質によるもので、クジラの肉が赤々しているのは、深く潜る為なのです。
マッコウクジラがそんなに深く潜らないといけない理由が進化の過程であったのでしょう。

龍涎香と呼ばれる香料

龍涎香(アンバーグリス)と呼ばれる香料をご存知ですか?

麝香(ムスク)等が有名ですが、天然物の香料の中でも、動物由来のもので、

龍涎香はマッコウクジラから取れる動物由来の天然香料で、高級香水の原料として重宝されてきました。

マッコウクジラが餌のイカを食べて、消化出来なかった部分が結石化したもので、排泄の際に海に出されるのですが、水より比重が軽いため、そのまま海岸まで流れ着く事も多いようです。
とても貴重なもので、

海で拾った龍涎香が日本円で1千万円を超える高値がついた例もあります。

これから海岸沿いを歩く際は、マッコウクジラの排泄物が落ちてないか気になって仕方がないですよね。

モビー・ディック

マッコウクジラが登場する作品で最も有名なものでハーマン・メルヴィルの「白鯨」という小説がありますよね。

白い鯨、モビー・ディックに復讐を誓い追いもとめる話で、なかなか読み応えのある小説です。

読まれた方も多いのではないでしょうか。
上述した龍涎香を探すような描写があったりと、幻の鯨を追っているようでいて、マッコウクジラ自体の描写もリアリティがあり素晴らしい作品ですよね。
いつも思うのが、ハーマン・メルヴィルは白い鯨の話を書きながら、マッコウクジラそのものを知ってもらう事をメインにしてたんじゃないかなと思います。

まとめ

捕鯨の影響から個体数が減少しているという発表があったと思いきや、想定しているよりも多くいるという見解もあったりと、未だに分かっていない事の多いマッコウクジラですが、

日本では暖かい小笠原諸島近海にメスと子どもの群がいるとされ、寒い北海道知床近海ではオスの群がいるとされています。

ホエールウォッチングで運が良ければ見る事も出来るみたいなので、一度生で見てみたいですね。

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