皆様、
昔のトカゲと言うと、恐竜を想像する方も多いとは思いますが、このムカシトカゲという生き物は、2億年前から姿が変わらず、“恐竜の末裔”なんて呼ばれています。
ちなみにティラノサウルスが生きていたとされるのが、約6850万〜6550万年前とされています。
そんなトカゲが今も生きていると思うとワクワクしますよね。
今回はそんなムカシトカゲを紹介します。
ムカシトカゲの基本情報
大きさ:25cm・300g、最大で体長80cm・体重1kg
寿命:100年以上
生息地:ニュージーランドの一部地域
ムカシトカゲの生態・特徴
ニュージーランドの一部地域に生息しているこのムカシトカゲは、現地マオリの言葉で「トゥアタラ」と呼ばれ、これは「背中のトゲ」という意味を持ちます。
和名で“トカゲ”とついていますが、見た目は一般的なトカゲとはいえ、その存在はトカゲともヘビともかけ離れており、
もっと掘り下げて特徴を見てみましょう。
第三の眼
ムカシトカゲの最大の特徴と言えば、この第三の眼の存在がとても大きいでしょう。
頭蓋の頂点に存在するその第三の眼は、
しかし、その第三の眼は生まれて半年足らずで鱗に覆われてしまい、この眼の持つ役割は諸説ありますが、未だに解明されていません。
超低温な体温
ムカシトカゲの体温はわずか5〜11℃と言われており、一般的なトカゲが20℃前後ある事を考えると、かなりの低温である事が分かります。
それ故、
その代謝の低さが寿命が長い要因となっているのかも知れませんね。
繁殖に時間がかかる
繁殖のサイクルは非常に緩慢で、
ムカシトカゲの性別は卵が産み落とされた後の気温に左右され、21℃で丁度半々の性別になり、それより高ければオス、低ければメスとなります。
これを温度依存性決定というのですが、以前にもオスとメスに関した記事で少し取り上げていますので、よろしければそちらもご覧ください。
生きた化石の絶滅が危惧される要因
6,600万年前にメキシコの東部に隕石が落ち、地球上の生物の7割以上が死滅しました。
それでも生き延び、現代の我々の前に姿を見せてくれます。
しかし、今絶滅が危惧されています。
その要因となったのが、人間が持ち込んだ本来そこにいなかった哺乳類に捕食されるからというもの。
現在では、哺乳類のいないニュージーランド沖合の32の島にしか存在していません。
以前にも紹介しましたキーウィが絶滅の危機にさらされている理由と全く同じですね。
現在のオーストラリアやニュージーランドは、入国の時に持ち込める物がとても厳しいです。
人間は海を渡れる分、本当にその辺りは配慮しないといけませんね。
子供は日勤、大人は夜勤
ムカシトカゲは少し変わった活動の仕方をします。
本来動物は、日中活動する動物と夜に活動する動物に分かれていますが、ムカシトカゲの成体は夜行性で、地上で活動するのに対し、幼体の間は木の上で生活をし、昼間に活動をします。
成体が幼体を食べてしまうからだと言われていますが、なんとも奇妙な勤務体制ですね。
西洋に初めて渡ったムカシトカゲの情報
ムカシトカゲの情報が初めて西洋に渡ったのは、かの有名な冒険家ジェームス・クック船長からの報告でした。
クック船長が1769年にニュージーランドに上陸した際に、現地のマオリ族の族長から生物に関しての聞き取り調査をしました。
その時に聞いた「体調はおよそ2.5mで、地下の洞窟に住み、人を食べるトカゲがいる」というものがムカシトカゲの事だったのではないかと言われています。
サウスランド博物館
ニュージーランド南島の最南端に位置するインバーカーギルのサウスランド博物館には、
現在閉業されているようですが、ちょっと詳細が分かりません。
ニュージーランドの旅行のプランに盛り込むには、何回も行っている方やバックパッカーぐらいしか目を向けない場所かもしれませんが、一度行ってみたかったですね。
まとめ
私がムカシトカゲを初めて知ったのが、子供の頃に買ったチョコラザウルスという食玩でした。
恐竜のフィギュアが入っている食玩で、第二弾ぐらいのシークレットがこのムカシトカゲだった記憶があります。
当時は、「へ〜こんな恐竜もいたんだなぁ」ぐらいに思っていたのですが、ニュージーランドの生き物を調べている時に発見し、まさか生きていた事にビックリしました。
ニュージーランドって本当に変わった生き物がいっぱいいますね。
追記(2018年11月30日)
先日ニュージーランドへ旅行に行ってきました。
1週間程の滞在だったので、ムカシトカゲに触れ合うような事は出来ませんでしたが、ニュージーランド旅行の様子も記事にしておりますので、興味を持っていただけるようでしたら読んでいただけると幸いです。